2017年の雑感とアウトプットにこだわりたい2018年

https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/38526274425
Leica M typ262 Summaron 35mm/f3.5
プリントした写真をスキャンするのってめんどくさいから最近ちょっとデジタルライカをひっ捕まえて出かけることが多い。
アナログはアナログ表現がやっぱり一番適しているし、デジタルはデジタル表現がやっぱり一番適しているんだと思う。
今年の出来事といえば、写真界隈では写真展に参加したこと、それ以外だと船中生活を送ったことくらいだろうか。
両方ともすごいことしたなぁって感慨深いし、考え方が変わった出来事だった。


今年は働き始めて一番忙しいくらいの年だったのもあるけど、過去10年間で唯一、沖縄旅行ができなかった。
あとなんか何も考えずにふらっと遠出することができなくて、ちょっと保守的な感じだったと反省している。


写真と同じことだけど、自分の中で毎年やってることとかポジティブなルーティンは絶対に崩すべきじゃない。
写真の場合もそうで、今年は撮影に困ったら行く場所が自分の中で何箇所か決まっていて、そこに行くと撮りたい物がはっきりしてくる気がした。
実際に、写真展に展示した写真たちは、その場所で撮ったものは一枚も使わなかったけど、なんとなくそこで作っていたイメージに沿うものだった。


グループ展なんかを見ると、その人となりが何と無くわかるというか、神経質そうな人は神経質そうな写真だし、四面四角な人はやっぱりスキのない構図だし、性格が出ているようで楽しかった。
撮影自体は500分の1とかで行われる行為だから、そこからの取捨選択の結果が個人差が出るのだろう。


そんなこんなで来年もグループ展が控えているのだけれど、自分は乗っかるだけな感じ。
たまたま今日ちょっとしたギャラリースペースを貸してもらえる話があったので、来年後半に自分でイニシアチブがとれる写真展を開こうと思う。
写真は紙で見てなんぼ。

 マキナ67のちょっとしたまとめ

マキナ67を持って街へ出掛けると他のカメラよりも圧倒的に声をかけられる。
ちょっと不思議なカッコいいカメラ。
「カッコいいけどどこがすごいの?」って聞かれたから、ちょっと纏め的な。

  • 夢のカメラ

ドイツのプラウベル社の経営者が高齢を迎え後継者がいないところ、「カメラのドイ」が買収。ドイグループ創始者・土居君雄氏がカメラへ並々ならぬ熱意を持っていたことから、マキナ67は生まれる。
基本設計はコニカ、レンズはニコン、マキナ67後期~マキナW67、マキナ670の製作はマミヤというカメラ界最上級のジョイントベンチャー

  • 意匠と機構

コニカの設計者である内田康男氏のインタビューによると、そもそも試作機はドイツで製作していたが、どうにもならないと判断した土居氏からの依頼でドイツへ渡ったそう。色々な試行錯誤の末にデザインが出来上がったが、ドイツ人たちが絶対に譲らなかったのが前玉のサイズだったらしい。
光学的にはこんなに大きな前玉は必要ないらしいが、意匠的に正解だったと述懐している。
また、土居氏は当時既に主流であったAEを組み込みたい意向があったらしいが、このカメラの対象ユーザーはプロであり、露出についてはその判断に任せるべきという内田氏の意向から機械式シャッターとなった。
このあたりの判断はまさに正解で、機械式にしたからこそ今でも修理が出来るし、使われる要因だと思う。

PLAUBEL MAKINA 67 CHIEF DESIGNER, YASUO UCHIDA (ENGLISH SUBTITLES)

  • レンズ

そもそも設計をコニカに依頼しておきながらレンズはニコンを使うなんて…と今の時勢でも思うが、土居氏は当初からマキナ67に搭載するレンズはニコン製と決めていたそうだ。
内田氏も一度そのニコンのレンズをテストさせてくれと頼んだそうだが、素晴らしいレンズで文句がつけられなかった…と述懐されている。
発売当時のレビューを見てもF4以上に絞った場合の描写については特に評価が高く、開放付近でも微妙なフレアが出る以外は素直な描写と評価されている。

  • 短期間に終わった製作

製作をマミヤが行なっていたが、マミヤの倒産によりマキナ67も製作が終了してしまう。
純正パーツはマキナサービスへ移管されサポートが続けられたが、名玉と呼ばれたニッコールレンズの多くは廃棄されてしまったらしい。

現在でもマキナサービスからパーツを譲り受けた修理店はネット等で少し探せば出てくる。
以前もチラッと書いたが、マキナをちゃんと取り扱ってくれるお店は少ない上に、モルト交換でさえOH並みに分解が必要なので、未整備品を買うのはちょっとリスキー。未整備品でもそれなりの値段がするし尚更ね。 ちなみに上述の修理店でのOHの場合は蛇腹交換込で約8万。
それ以外でもやってくれる店はあるだろうから、地道に探すと良い。
たまに、同じ蛇腹だからかGF670あたりを勧める人がいるけど、マキナが欲しいんだったら妥協せずに良い個体を見つけるか、OH前提で予算を用意しておくことをオススメする。
無限遠に合わせて蛇腹をしまうのは、このカメラの鉄則のはずだけど、適当に扱う中古店もちょくちょく見かける。
そういう知識すら持たない店から買って同じように扱ってしまって、距離計ズレたらかなり高くつく。
店はちゃんと選んで買うって当たり前で一番大事。

 ロクナナ試運転

思っていたよりも早くマキナがOHからあがってきた。
何よりびっくりしたのが、ファインダーが見違えるほどに綺麗になっていたこと。
やっぱりOHした個体は格別。

マキナの修理はけっこう大変で、モルト交換でさえOHと同じくらいばらさないといけないらしい。
距離計がずれ易いとか、注意点は色々あるらしいけど、ちゃんと扱えるカメラ店が少ないのはちょっとかわいそうだ。
市場に出回っている個体数を考えれば未だに修理対応してくれる人がいるのはすごい事だけど、マキナに限らずこの手のカメラは駆け込み寺を確保したうえで入手することが本当に大事だと思う。


試写がてらマキナを持って散策。
蛇腹は伸ばしたままにしないほうが良いと言われていたので、速写性はあんまりだけど、ライカとほぼ変わらずに構図もピントも露出も合わせられる。
シャッターボタン脇のピントダイヤルは最初は何でこの場所?って思ったけど、使っていくとすごく便利だった。サイズ感的にも35mm判とほぼ変わらずに撮影が出来るのが本当に良い。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37688837395
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/38576940251
PLAUBEL makina 67 Nikkor 80mm/F2.8 Ilford HP5 Plus
ニッコールレンズの描写は、シンプルに見たものが綺麗に写るレンズだなぁという印象。
手持ちのレンズの中では、ズミクロン50mmに一番描写が近いけど、ズミクロンよりはボケ感とかは柔らかくて写りも繊細。
プリントして、あぁなんだこれって溜息が出た。


問題はちょっと値の張るフィルムの値段と、中判スキャナーがないからプリントしてるんだけど、それが大変ってことかな。フィルム代はね、仕方ないよね。

 嗚呼、愛しのマキナよ

ライカと並んで僕の憧れのカメラだ。
テレビで見た金村修のドキュメンタリーで、金村修の使うカメラがめちゃくちゃカッコよくて、ずっと憧れていた。
https://farm5.staticflickr.com/4046/4425484567_71d2a3d04a.jpg
ほら、かっこいい。
身近なところに使っている方がいて、触らせてもらった。シャッターの感触がたまらない。
レンズはニッコール80mm/f2.8。すっごいレンズだよって教えてもらった。
ニコン党ではないが、ニコンの中判レンズ…使いたい!
ライカを売ってでも買おうと心に誓った。

この本に載ってんのかな…。


そして、とうとう手に入れた。
状態は悪いように見えたけど、「けして悪くない、むしろ良い個体だよ」って修理に持っていったカメラ店で言われた。
届いたときに気になっていたレンズのカビは目の前で開けて綺麗にしてくれた。
驚くほど美しいレンズに目が奪われた。
それなりの値段で買ったとしてもモルトの問題とかが万全な個体は少ないから、やはりOHは安心して使う大前提だ。
写真はOHに預けるまでの間に撮ったもの。レンズ清掃の前なので、「らしくない」写りっぽいけど、雰囲気はつかんでもらえるだろうか。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37493399554
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/24351544418
PLAUBEL makina 67 Nikkor 80mm/F2.8 Fujifilm PRO160NS
今は中判が人気で少し高騰してるらしく、いわゆる「良い買い物」ではなかった気がするけど、あんまり買い時とか考えてもね。
やりたい時にやらないと、使うタイミングも直すタイミングも無くなっちゃうよねって話。
まぁ、40年近く経つ機種が直せる時点で結構すごいことだよね。改めて考えると。


ウェブ上にあまりちゃんと情報がまとまってるサイトがないから、オーバーホールから返ってきたらちゃんとまとめておきたい。
というか、OHの間、悶々としすぎて色々調べすぎたからアウトプットしておきたい。

 雨がうざくて仕方ない

流石に雨の日にフィルムカメラを持ち出す気にはなれない。
戦争カメラマンとかどうしてたんだろう。気にせずに使っていたんだろうか。
個々のコンディションによっても違うんだろうけど。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37300916664
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37300917494
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/24158281898
Ricoh GR 28mm/f2.8
今日はちょっとでも晴れ間があったら10枚しか撮れないフィルムを買いにヨドバシに行こうと思っていたのに出鼻を挫かれた。
出鼻を挫かれたといえば、逆光の中で色々と試したけど手に入れたレンズにカビがあって、即レンズ清掃に出そうか悩んでいることもちょっと出鼻を挫かれている。
Leica M2を手に入れたときも実用は問題なかったけど、安心感を買う目的でOHに出した。
今回はどうしようか。ちょっと大物だし、2月の展示に向けて使いたいから買ったのに…。
いっそのこと気にいる個体が出るまでガチャを回してやろうか。出品手数料でヤフオクだけが儲かるだろうな笑


雨の日はなんとなく鬱々した感じになるから嫌だな。
週末だけはなんとか晴れてよ、お願いだから。

 たまには量より質で

最近マイペースにご飯が食べれなくて、接待なんかで人に気を遣ってペースを合わせて呑んだり食べたり…。
質の低い食事が多いなぁと。
質っていうのは別に店の云々の話じゃなくてもっと内面的な感じのことで、量的には満たされてても質的には満たされて無いなぁって感じがする。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37853040321
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37853037191
Leica M typ262 Summicron 35mm/f2.0
久しぶりに落ち着いた感じの店で、たわいも無い話をぽろぽろとしながら静かに食べる食事と嗜む酒っていうのは良いもんだった。
そういう雰囲気を作ってくれるお店もまたいろいろとこだわって作られている感じがして良いなぁと思う。


量より質といえば、36枚しか撮れないライカよりもっと量が撮れないカメラを2つも買ってしまった。
どちらも撮影枚数は10枚。でも、プロセスもアウトプットも真逆な2台。
偶然のタイミングで手元に来たことが面白い。
その話はまた今度。

 Rollei B35のこと

モノクロフィルムの現像をサボっていて、一気に大量にやったら定着液がへたっていて最後の2本失敗した。
気合を入れて撮った2本を最後に残していたので、かなりショックだった。
サボらずにすぐやれっていう神様の思し召しだろうか。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37248436952
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/37248434982
Rollei B35 Triotar 40mm/f3.5 Fomapan 400
久しぶりにRollei B35を持ち出したので、ちょっと暗室で焼いてみた。
コマによっては収差が激しく写ってるのとかあったけど、ピントきてたらシャープだしコントラストも良い感じ。
同じタイミングでズミクロンで撮ったものも焼いてて、まぁいろんな意味で比較にはならない写りだけど、おもちゃみたいなサイズのレンズでしかも三枚玉だよって考えると、作った人は本当に凄いね。


数十年後にも使われるって思ってて作ってたのかな…。
本当にいいカメラ。予備買おうかなって思うレベル。