Leica M6がOHからかえってきた

イカジャパンからドイツ本国送りとなっていたLeica M6のOHが完了した。
Leica M6をオーバーオールに出した顛末については下記を参照してもらいたい。
nowarl.hatenablog.com

かえってきてまず驚いたのは、とにかく綺麗になった。

消耗パーツ全交換と聞いていたけど、赤バッジが交換されるとは驚いた。ガリってた筈なのだ。
目立つところではレンズの着脱ボタンも交換されている。
あと、これは本当にどうやったのか分からないけど、落下した時に歪んだベースプレートが直っていた。微妙にガタガタなっていたのに、寸分の狂いもなくハマるのだ。正直な話、購入時よりもベースプレートがきっちりハマるもんだから裏蓋も今まで経験がしたことがない精度でピタッとハマってカタカタならないのだ。
擬音擬態語ばかりで申し訳ないが、まぁすごい。
ドイツ人がトントンとベースプレートを叩いたのだと僕は信じるぞ。


あとは露出計の調整と受光部の交換、ファインダーの遮光板を対策品に交換、シャッター幕交換などなど。
色々盛り沢山で内訳が2ページ目に突入していて途中で読むのをやめたが、とにかくドイツ人のサインが書かれた保証書がついていたから信じることにした。


正直、本国送りにして中途半端なOHされたら嫌だなーとか色々と不安はあったけど、結果としては大満足である。
露出計調整や受光パーツ交換とかは本国送りにしないと出来ないし、消耗品もちゃんとLeicaの新品に交換されるのは良いもんだ。


正直、別のM6の個体を買える値段が掛かった。
新しいLeicaだとか言われても製造されてからそれなりに時が経っている訳で、市場に溢れている中古の多くはそろそろOHの時期なのかもしれない。

 バルナックライカに見るロマン

そもそも直るかどうか分からなかったから入手したことすら黙っていた話。
いつもお願いしているカメラ屋さんでも半分お手上げ状態だった僕のバルナックカメラが返って来た。
ボディと年代の違う駆動部が入っていたりして、中身がかなりチャンポン*1だったらしい。実際に修理に出す前に使ったら巻き上げがゴリゴリ、36枚撮でも20枚程度でトルクが抜けて巻き上げられない、どんな絞りでもちゃんとピントがいかないなど、問題だらけで多分前の所有者は使いもせずに長い間放置されていたようだ。
一つ一つ問題を再現して対応して…と時間はかかったけどほぼ完璧に直してもらえた。「ごめんけど、もう二度とやりたないわ…」とは言われたw


バルナックはLeica DII以外にはほぼ興味がなかった。
DIIの素晴らしさについては下記を参照していただきたい。
aremo-koremo.hatenablog.com
理由としてはスローや1/1000は不要だったことがある。Leica M2を買うときにセルフ付きは端から除外して探したのと同じで、自分に不要な機能がついている機種はあまり持ちたくない。

すっきりとしたボディ前面。貼り革は茶色に変色してしまっているが、全く浮いていないので貼り替えは見送った。
ボディは1932年の初期出荷分、レンズは1934年のズマールである。
このズマール、曇りなしの良個体だったが、ボディと併せてオーバーホールに出して「限界までレンズ清掃」してもらった。
状態の悪い個体で撮って”ふんわり”だの”ゆるい”だのという評価は少し可哀想だ。しっかり映る良いレンズだ。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29423094147
Leica DII Summar 50mm/f2.0 Kodak 400TX
もちろん周辺は少し落ちるが、大キャビネに焼いた感じは非常に良好だった。


M型ライカを所有していることもあって、バルナックをメインに使うことはないだろう。
ただ、ライカというかカメラの源流と言っても過言ではない80年以上前のボディとレンズが今でも「普通に」使えることのロマンは果てしない。
使うかわからないこのボディをオーバーホールした最大の理由、それは2032年に、100歳となったこのライカで「普通に」写真を撮ってみたいと思ったからだ。
修理店等の問題もありこういう問題のある個体を直せるチャンスも今回を逃したら無くなってしまうかもしれないなど、色々と思うことがあった。
とにかく見事に直ったバルナックライカを大切に使いたいと思う。

*1:年代の違うLeica製が入っていたとのこと

 あての外れるたびに

予定調和があまりに面白くなくて、予定を決めずに流れのままの旅に憧れる。
たまに何の予定も立てずにフェリー乗り場まで行って、一番最初に離岸するフェリーに乗ってしまうっていうのをやったりしたんだけど、フェリー乗り場が遠いから大阪駅から一番最初に出発する在来線特急に乗ってどこか行ってしまおうと思った。
結局サンダーバード敦賀に行った。敦賀って何があるのか何も知らなかったけど、立派な埠頭があった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29175953277
あとは本当に適当にぶらぶらと。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29175952637
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29175952637
Ricoh GR GR Lens 28mm/f2.8

今度は伊丹空港で最初に乗れる飛行機に乗ってどこかへ行こうかな。
自分探しの旅とかいうには年を取りすぎたけど、ぶらっと何も知らない街に行くのは楽しい。


久しぶりに連絡を取った友人とSNSで繋がったら、「明日剣山登ろうかなー」って適当なノリで呟いていて、「えっ剣山てそんなノリ?」って聞いたら結構ハードコアな山登りだったんだけど、それをそういうノリで行けちゃう感じ最高だなって思った。


そういうなんかとりとめのない日々に憧れる。

 写真は日常のそばにある

いつも前を通り過ぎる仕立て屋さんのウインドウがカッコいい。
カッコいいなーと思って通り過ぎるんだけど、夏の日差しがウインドウに溶け込んでいる感じがして写真を撮った。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/41987269520
Plaubel Makina 67 Nikkor 80mm/f2.8 Ilford HP5Plus
思った以上に綺麗に撮れてて嬉しい。


最近ようやくマキナのクセを掴めてきた気がする。
マキナのクセときれいだなって思えるプリントの焼きの加減と。
現像液を代えてから現像結果の安定感が増したということもあるかもしれない。
プリントを焼くときに前と違って良い意味で脱力してるからかもしれない。


いろんな要素があって写真って出来てるけど、特にアナログは再現性は低い。
同じような写真は撮れても同じ写真は絶対に撮れない。
日常だってそんなもんで、同じような日々のようで同じ日はないわけで。
そのフィーリングっちゅうか、そういうの大切にしたいなぁと思った。

 写真はカメラで撮るもん

カラー写真に関してはデジタル撮って出しを突き詰めてみようかなと思っている。
もっとシビアに撮影時に露出を意識して撮影しようかなと。
今までもLeica社の色作りが好きだったからカラーに関してもあまり極端にいじった写真は掲載していないんだけど、よく見ているブログで書かれていたことにほぼ完全に同意したので、もっと一枚一枚ちゃんと撮りたいなぁと。
kt-photo.hatenablog.jp
このかたはM8を使われているけど、僕がMを買った理由も多分にそれは当てはまる。
ちょっと前のアサヒカメラじゃないけど、あんまり加工しちゃうとそれレンズとかカメラとか関係なくなっちゃってるんじゃない?って思うから。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29551481268
Leica M typ262 Summicron 35mm/f2.0
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/28552386077
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/28552389897
Leica M typ262 Elmar 50mm/f2.8


そうそう、秋の展示に向けてレンタルスペースを借りた。
生活に張り合いが出来るからこういうのは良いことだなと思う。
思い切って二週間やることにした。大失敗でも大成功でも良いんだ。

 夏の陽射しと平日の古都

平日の京都はいいぞ。
イカ京都ギャラリーでやっていた木村伊兵衛の展示も少し気になったし、センサークリーニングもついでにやってもらおうと祇園方向へ。
基本的に祇園方面はライカ京都に行く以外に用事はないし、全然落ち着かないから行きたくはないのだけれど…。
祇園界隈は外国人が多いのであんまり曜日関係なかった。
今日はとにかく陽射しが強くて、いよいよ夏を感じさせた。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/43270462202
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/42415960315
Leica M typ262 Elmarit 28mm/f2.8
白川沿いを歩いていたら、水色の提灯が夏っぽいなーと思ったりして。
なんとなくだけど、やっぱり平日の空気感の方が落ち着いていて写真も撮りやすいし、時間を有効に使えて良い。


久しぶりにエルマリートを持ち出したけど、28mmってやっぱ使いやすい。
あと結構思った通りに写っていて安心する。このレンズやっぱ好きだわ。
デジタルライカはやっぱり撮って出しが一番綺麗だなー。
画像っていうより写真っぽい色味が良い。
とか言いながらMMを欲している。禁断の果実な気がするけど。

 120判で撮る街角

新しく出会う街角よりもずっと歩いている街角のほうが撮りたい瞬間が多いような気がしている。
相性みたいなものもあるかもしれない。カメラを携えて歩いて、撮りたくなる街とそうではない街と。
少し前に、「その差を考えてみるともっと深く自分の写真を見つめられるかもしれない」とアドバイスされた。
いろいろ考えてみるけど、まだよくわからない。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/43005908832
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29183867268
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39977934971
Plaubel Makina 67 Nikkor 80mm/f2.8 Ilford HP5Plus
マキナ67は重いのもあって、なかなか遠出の機会がないカメラだ。
使用頻度が高いというか、あまり120判だと意識せずに35mm判と同じくらいのペース、テンポで撮影しているので、普通に撮っていて1日3本は確実に消費する。
最初は戸惑っていたフィルム交換もサクサクになってきた。
現像が手間なので、大きなタンクを使い始めた。50倍希釈のロジナールがめんどくさくなってしまって、ID-11にD-76を注ぎ足しながらのいわゆる「ウナギのたれ」現像に切り替えた。
最初はおっかなびっくりだったけど、液のへたってくる塩梅もわかってきたし、より現像が楽になった。
風呂場にずらっと干された太い120判フィルムが壮観である。