ちょっとどこまで行くんでしょうね

ちょうど写真展をはじめる少し前に、本当に稀有なことが起きてしまって、Leica M Monochromを手に入れた。ま、カメラが増えるときって、たいていは欲しい欲しいと思っているから、そういうアンテナが張ってるんだろうな。普段だったらあり得ないタイミングで出物があったりする。
あとはもう瞬発力、それだけだ。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/31637167428
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/43322126470
世の中にちゃんとしたモノクロが撮れるデジタルカメラって、このLeica M MonochromシリーズとSIGMAのカメラたちしかない。
心情的に、モノクロを撮るときは最初からモノクロの頭になっていたいから、SIGMAのDPシリーズなんかは特に画的には良いと思うんだけどどうも触手が伸びない。
新しいレンズの方が性能を発揮できるのかと思ったけど、手持ちのレンズで一番古いズマロンでも中央部の切れ味は相当鋭くて、オールドレンズとはいえその描写レベルの高さを感じた。


最初はちょっと使って手放すつもりだったけど、何と無く愛着が湧いてきている。
しかし、結構露出がシビアなこともあって、フィルムライカにTri-Xを入れて撮る方が気楽な気もしている。

 いろんな「たり」

無事に写真展が終わって、ちょっとした喪失感に包まれている。
会期までは制作に追われていたこともあって、やっと「祭の準備」感が出て来たのは会期前日だった。
そこからはあっという間で長かった気がする。
搬入をするときのドキドキ感だったり、思っていた通りに白い壁に作品が並んだときの安堵感だったり、人が来てくれないかもしれない不安感だったり、予想外の人が見に来てくれたら喜びだったり、搬出が終わって元の白い壁に戻ったギャラリースペースに寂しさを覚えたり。
色々あった…。
何もないようで素晴らしい二週間だったと思う。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/44266557855
Leica M typ262 Summicron 35mm/f2.0
「次」があるかはまだわからないけど、「ずっとやり続けて行くことが、価値のあることだぞ」って来てもらった人に言われたので、細々とでも展示は続けていきたいなぁと思った。


「写真=プリント」ってここ数年ずっと思って来ていたけど、それはやっぱり間違いではなかったと思う。
わざわざ来てくれた人たち、たまたま来てくれた人たちに感謝。

 写真展を開く

写真をやっていて、楽しい瞬間ってなんだろうか?
色々と想いを巡らせると、人と写真で関われた時っていうのは上位に来るんじゃないだろうか。
企画展やグループ展に出すようになって、もっと自分の思うようにやってみたいと思うようになった。
テーマも機材もフォーマットも自分で選ぶんだ!と…。
思い始めて1年近くが経ってしまったけど、ようやく実を結んだ。
ささやかな展示だけど、今できる精一杯の写真への愛情を注いだつもり。
本日無事搬入終了。

明日から2週間、どうぞよろしく。

 金木犀と台風

台風が来ていたけど比較的穏やかな朝だったから出町柳へ買い物へ。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/44280914944
出町座って最近できた映画館なんだけど、面白そうな映画けっこうかけているみたいで今度行ってみたい。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/44280908194
三角デルタもまだまだ平和で買い出し帰りの人たちやお弁当を広げている人なんかもいた。
出町柳の商店街はほとんど臨時休業だったけど街も人も平穏そのものだった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/44280887084
Leica M Monochrom Summicron 35mm f/2.0
糺ノ森の金木犀が咲き誇っていてすごく良い香りだった。
台風で散ってしまうかもしれない、その前に出会えてよかった。

 歩く旅が楽しい

ちょっと博多の街に行った。
博多って結構好きな街で、ぐちゃっとした都会な感じと郊外の落ち着いた感じがちょうど良い。
それでいて食べ物もリーズナブルで美味しいものが揃っている。近畿圏よりも魚介系が美味しいのも嬉しい。
今回はぐるぐるとバスと電車と歩いてうろうろ。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/42908378520
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/42908377660
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/42908382060
Ricoh GR GR Lens 18.3mm/f2.8
探検していた雑居ビルの中にあった良い感じのカフェでくつろいでいたら、コーヒーが美味しくて、帰り際にマスターから地元の人と思われて、「近いうちにまた来てくださいね」なんて言われちゃって、今度やる二人展のDMを渡したら「えー、そんな遠くから?!」って驚かれた。
超軽装備だったから近所の人だと思われたっぽいけど、カメラ一台と携帯と財布くらいでぶらぶらするのが軽快で良いなーといつも思う。
この日はGRのシャッター速度を歩きながらでも手ブレしない程度に固定して立ち止まることなく撮り続けた。
デジタルでもフィルムでもGRの軽快さは最高だ。


そうそう、DM配布といえば、来月から二人展を京都でやる。
Plaubel makina 67で撮った、「街」を展示するのでお時間のある方は是非。
会期は10月8日〜21日 場所は荒神橋のかもがわカフェ・ロフトスペース。
美味しいコーヒー飲んで、スローな時間を…。

 Leica M6がOHからかえってきた

イカジャパンからドイツ本国送りとなっていたLeica M6のOHが完了した。
Leica M6をオーバーオールに出した顛末については下記を参照してもらいたい。
nowarl.hatenablog.com

かえってきてまず驚いたのは、とにかく綺麗になった。

消耗パーツ全交換と聞いていたけど、赤バッジが交換されるとは驚いた。ガリってた筈なのだ。
目立つところではレンズの着脱ボタンも交換されている。
あと、これは本当にどうやったのか分からないけど、落下した時に歪んだベースプレートが直っていた。微妙にガタガタなっていたのに、寸分の狂いもなくハマるのだ。正直な話、購入時よりもベースプレートがきっちりハマるもんだから裏蓋も今まで経験がしたことがない精度でピタッとハマってカタカタならないのだ。
擬音擬態語ばかりで申し訳ないが、まぁすごい。
ドイツ人がトントンとベースプレートを叩いたのだと僕は信じるぞ。


あとは露出計の調整と受光部の交換、ファインダーの遮光板を対策品に交換、シャッター幕交換などなど。
色々盛り沢山で内訳が2ページ目に突入していて途中で読むのをやめたが、とにかくドイツ人のサインが書かれた保証書がついていたから信じることにした。


正直、本国送りにして中途半端なOHされたら嫌だなーとか色々と不安はあったけど、結果としては大満足である。
露出計調整や受光パーツ交換とかは本国送りにしないと出来ないし、消耗品もちゃんとLeicaの新品に交換されるのは良いもんだ。


正直、別のM6の個体を買える値段が掛かった。
新しいLeicaだとか言われても製造されてからそれなりに時が経っている訳で、市場に溢れている中古の多くはそろそろOHの時期なのかもしれない。

 バルナックライカに見るロマン

そもそも直るかどうか分からなかったから入手したことすら黙っていた話。
いつもお願いしているカメラ屋さんでも半分お手上げ状態だった僕のバルナックカメラが返って来た。
ボディと年代の違う駆動部が入っていたりして、中身がかなりチャンポン*1だったらしい。実際に修理に出す前に使ったら巻き上げがゴリゴリ、36枚撮でも20枚程度でトルクが抜けて巻き上げられない、どんな絞りでもちゃんとピントがいかないなど、問題だらけで多分前の所有者は使いもせずに長い間放置されていたようだ。
一つ一つ問題を再現して対応して…と時間はかかったけどほぼ完璧に直してもらえた。「ごめんけど、もう二度とやりたないわ…」とは言われたw


バルナックはLeica DII以外にはほぼ興味がなかった。
DIIの素晴らしさについては下記を参照していただきたい。
aremo-koremo.hatenablog.com
理由としてはスローや1/1000は不要だったことがある。Leica M2を買うときにセルフ付きは端から除外して探したのと同じで、自分に不要な機能がついている機種はあまり持ちたくない。

すっきりとしたボディ前面。貼り革は茶色に変色してしまっているが、全く浮いていないので貼り替えは見送った。
ボディは1932年の初期出荷分、レンズは1934年のズマールである。
このズマール、曇りなしの良個体だったが、ボディと併せてオーバーホールに出して「限界までレンズ清掃」してもらった。
状態の悪い個体で撮って”ふんわり”だの”ゆるい”だのという評価は少し可哀想だ。しっかり映る良いレンズだ。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29423094147
Leica DII Summar 50mm/f2.0 Kodak 400TX
もちろん周辺は少し落ちるが、大キャビネに焼いた感じは非常に良好だった。


M型ライカを所有していることもあって、バルナックをメインに使うことはないだろう。
ただ、ライカというかカメラの源流と言っても過言ではない80年以上前のボディとレンズが今でも「普通に」使えることのロマンは果てしない。
使うかわからないこのボディをオーバーホールした最大の理由、それは2032年に、100歳となったこのライカで「普通に」写真を撮ってみたいと思ったからだ。
修理店等の問題もありこういう問題のある個体を直せるチャンスも今回を逃したら無くなってしまうかもしれないなど、色々と思うことがあった。
とにかく見事に直ったバルナックライカを大切に使いたいと思う。

*1:年代の違うLeica製が入っていたとのこと