美しい日本語を堪能しましょう。

最近、日本語の乱れが問題視されています。TVを見ていても、タレントやらアナウンサーの日本語はおかしい。政治家までもが正しい日本語を使えていない。
そういえば、小説の世界の表現でも稚拙なものが目立つ。しかも、売れた小説が特に酷いのはどーいうこと??
石田衣良さんがTVで言ってたっけ。「若手の作家は、僕や最近の小説家の本をかじった程度で原稿を見てくれと言ってくる。もっと芥川龍之介直木三十五などの文豪を勉強すべきだ」と。

最近、夏目漱石の後期の作品にハマッている。今読んでいるのは「行人」。表現力というか日本語の語彙力がこの人は半端ではない。日本語を見事に使って、文章を飾り立てている。
その夏目漱石が「間違いなく文豪になる」と手紙に残しているのが芥川龍之介。僕の一番好きな作家だ。
僕は「トロッコ」が一番好きな作品なんだけれど、この日本語力はすごい。少年の心の中を描いている部分は特にすごい。めっちゃすごい。僕が一番感心するのは少年が家に帰るために線路の上を疾走する場面。少年の焦る気持ちやそのスピード感が本当にリアルに伝わってくる。まさに文学史に残る作品だと思う。

そういえば、三島由紀夫の文章も非常に優れていると思う。「豊饒の海」に出てくる日本語はとてつもなく綺麗な日本語。ただし、辞書が必須アイテムになりますよ。

数々の文豪達の作品に触れると心が洗われるように思うのは僕だけではないはずです。