話半分、結果も半分

ふと覗き込んだ50mmズミクロンに波線状の何かが見えた。
半年前にオーバーホールに出した時に、抜けのいい綺麗なレンズですねって褒めてもらった自慢のレンズなのに。
嗚呼バルサム剥がれよ、こんにちは。


稼働率ナンバーワンの座こそ35mmズミクロンに譲っているけど、もともと大好きなレンズ。買換えも考えたけど、新しく買っても壊れる時は壊れる。
ガラクタか…。バルサム切れを治せるところ…。
ズマロンが曇り玉でダメダメだと言われた時に考えて躊躇した再研磨。
その時に調べた記事の中でバルサム剥がれにも対応って書いてあったのを思い出して電話をかけた。
ズマロンではしなかったのに、お気に入りのズミクロンが不良になった途端に速攻で駆け込むのもなかなかにズマロンの悲哀が感じられるので、ズマロンも一緒にお願いした。
依頼先はもちろん、山崎光学写真レンズ研究所である。


いろいろと伝説の工房であるが、結果から言うとズミクロンについては、ほぼ完璧に修復されて帰ってきた。
もともと抜けが良かったからか再研磨はされずにバルサム剥がれの修復のみ。これは嬉しかった。
で、ズマロンである。これはかなりガッカリだった。
開封してまずシルバーの銅鏡にこびりついたグリスのような黒い粘着物に驚いた。
クロスで綺麗に拭き取る。
レンズの中を覗くと同じようなグリスが、恐ろしく綺麗なまさに新品同様に研磨されたレンズの縁にこびりついているのが見える。
本当に縁なので写りに影響があるのかわからないが、そのグリスの散ったような極小さなドットが2点あって、そちらは絞ったら写る気がする。必ず試写をしているとのことだったが、どうなんだろうか。


そもそもズマロンはおまけで出したようなものだし、ここ以外では綺麗にならなかっただろうが、雑な扱いを受けたのかもしれないと少し微妙な気持ちになった。
ネット上では賞賛の嵐で、「神の手だ」なんて声もあるが、まぁ話半分に聞いとかないとなーというのと、やっぱりレンズは直に頼める環境じゃなかったらいろいろ面倒くさい。正直、クレームの電話を入れて再送して云々とか面倒くさいし、プロとしての結果がこれなのだから、再送してこれ以上の何かが望めるのであれば、そもそもされていると思う。
ズミクロンについては素晴らしい仕事をしていただいたので、2本分のお金でズミクロンを直してもらったと思って、ズマロンはおまけ作業してもらったくらいに考えようと思う。
まさに悲哀のズマロンである笑 週末連れ出してやろう。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/29356751073


最後に一応。
やっぱり相性っていうのはあるわけで、僕にとっては鬼門だっただけで貴方にとってはそれこそ神が降臨するかもしれない。
ただやっぱり提灯記事につられて期待を抱いていた自分にとってはなかなかに微妙な体験をしたので包み隠さず書いただけだから腕が悪いとか言うつもりは全くない。


追記
今日、ヨドバシにてα7RIIにMマウントアダプターを付けてもらって、試写。
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うわぁと声が出た。
光学的にはやはり神だったか。恐れ入った。
仕上げはいつものお店に頼もうと思う。
しかしあのクモリ玉が…。
そして、α7すげえ欲しい。