いのししどし

蛤御門の目の前にある護王神社和気清麻呂を祀っていることから、イノシシ神社としても知られている。
今年の干支ということで凄い賑わいだというので、少し覗いてみた。
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帰りに蛤御門をまじまじと眺める。つい最近、徳川慶喜の本を読んだばかりだったこともあって、ここで発砲した長州がその後官軍になるなんて乱世だなぁと思いながら通った。護王神社を今の場所に移したのは明治天皇の勅命だったらしいけど、幼年期に禁門の変に遭遇したからかなぁ。
何れにしてもこの場所に和気清麻呂を祀る神社があるのは歴史の浪漫を感じて好ましく思う。
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Leica M Monochrom Summar 50mm/f2.0
京都御所の中にある閑院宮邸跡。
たまたま御所を歩いていたら公開中だったので立寄ってみた。
ちょうど幕末と維新をテーマにした展示もされていた。こういう展示を見るといつも思うけど、会津中将や慶喜を寵愛した孝明天皇崩御しなければきっと維新って別の形だったんだろうなー。
干支がイノシシだったおかげでちょっといつもより歴史を考える初詣だった。

 正月休みお終い

今年は例年より長い正月休みだった人も多いと思う。
うちも例年より長い正月休みだった。とはいえ、やることはほぼ毎年一緒だった。
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Ricoh GR GR Lens 18.3mm/f2.8
ふたばの正月餅を買い並ぶ大晦日
どうせ買うんなら予約すれば良いのに…と思うが、相方はいつもギリギリまでよそで買うのと迷う。
「餅は餅やで」。ふたばの正月餅と季節毎のお菓子ってめっちゃ美味しいよね。
去年は水無月も仙太郎ではなくて、ふたばのを買ってみたけど美味しかった。


初詣らしからぬ初詣で、まさかの蓮花寺にお参り。
初詣は神社に行くもんだと思っていたけど、お寺さんに行くのも別に間違いではないらしい。
冬のやわらかな日差しが良い感じだった。
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Leica M typ262 Elmarit 28mm/f2.8
池の水面を見ているだけの穏やかな時間が心地よい。


今年は大型連休もあるし色々とアグレッシブに動きたい。
去年とうとう読書量が50冊をきってしまったので、今年は100冊は読みたい。
あと、本当に状態の良いエルマー50mm/f3.5が欲しい。

 さようなら平成の師走

平成最後の…と言われてもなかなかしっくりこない。
今上陛下が会見で言葉を詰まらせながらお言葉を述べられていたが、災害多くも戦禍なしという面では本当に良い時代を過ごせたのではないか。
そんな最後の師走も終わろうとしている。


ざっくり今年を振り返ると、とにかく突発的な出張が多かった一年だった。
Leica M2を途中何度か出張に持ち出して、空いた時間で写真を撮ったりしたが、どうにも収まりが悪い。もっと小さいのが良い。
欲望のままにLeica DIIを買った。ちゃんと写るとか写らんとかそんなことはどうでも良かった。
写真を撮るという行為が楽しめればそれで良かった。その点では完璧だった。

やっと出張が終わってLeica DIIとズマールを懐に抱え、共に通常業務に戻ったと思った矢先、台風21号発生である。
嫌な予感がよぎる。またも突発的な出張を言い渡される。Leica DIIとズマールはOHから帰ってきている。
素晴らしい。前回よりよほど最高だ。巻き上げもピント合わせも快適だ。それだけで夜もぐっすり。
そして平行して二人展の準備である。今思えば、本当によくできたと思う。
nowarl.hatenablog.com
時間がなさすぎて泣きそうだったけど、本当にこの信じられないタフな一年で唯一咲いた花みたいなもんだ。
写真展のための写真は全てマキナ67で撮ったが、ロケハンはLeicaを持って撮りまくりここぞでマキナを持って行っていた。
展示が終わったらまた出張を言い渡される。実は移動中にLeica DIIを擦ってしまい少しペイントを剥がしてしまっていた。
人類遺産であるLeica DIIになんてことを…とショックでGR10を出張カメラに決めた。
GR10は予想を超えて仕事をしてくれた。さすがGR。細江英公が30万くらいで売れば良いのにとリコーに言っただけの事はある。
しかし、2本目まさかの巻き上げ不良でジャムるという大事故。こりゃいかん、やはりLeica DIIだ!
めんどくさいの極地だと思っていた巻き上げスプールにフィルムを差し込む儀式、安心感半端ない。
今M2を調整に出してるからM6使ってるけど不安すぎてやばい。
という事で今年は精神的にLeica DIIが最も素晴らしいカメラだった。


出張フラストレーションでLeica M Monochromも事故的に買ったが、Leica DIIほどの神通力はなかった。

モノクロ専用って言っても、どうせフィルムはモノクロしか詰めてないんだから、なるほどなるほどとは思ったけど、新鮮味はない。
カラーフィルターのあるデジカメデータをいじったデジタルモノクロームの嘘っぽさがなくて、めちゃくちゃリアルにフィルム並みの階調感なのにはびっくりしたけど。

そうそう、忘れてはいけないのが、Ricoh GRだ。こいつこそ究極の相棒だ。

無数の傷と塗装はがれとボディの歪み。シャッター数も信じられないくらい伸びているが、サポートに出すと問題なしで帰ってくる。
スーパーマンだこいつは。史上最高のデジカメだ。
Leicaが余暇に嗜むウイスキーだとしたら、Ricoh GRは仕事中も携行するペットボトル飲料のような。
来年新しいGRが出ても愛着勝るこいつで良いかなーと思っている。


来年も展示が控えている。
リアルでもこちらでも皆さんよろしくどうぞ。

 行けたから、もう行かない

心にずっと引っかかっていた場所に行った。
苦い思い出が多すぎて、大嫌いな町。
そこには僕のやめた高校があって、どうしようもない自分がいた。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/45627566434
心の清算が終わっていないとずっと思っていて、やっと自分の足で来ることができた。
青春の一ページなんて下らないんだけど、そういう時代の失敗って意外とずっと心のどこかに引っかかっていてトラウマみたいになってしまうことも多いはず。
でも、とある人に「その経験がなかったらどうなっていたと思う?」ってふいに問われた。
きっと自分の好きな音楽も聴いていなかっただろうし、好きな本も人間も、もちろん写真だって変わっていたかもしれない。
それほどドラスティックな経験だったんだ。もう今更戻れないしね。

https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32478729998
Leica M Monochrom Summaron 35mm/f3.5
どうしようもない僕たちが授業をばっくれて帰っていた”裏”通学路が今でも存在していた。
懐かしくなって歩いていたらギョッとした。今では人目を忍んで帰りたいカップルたちの”裏”通学路になっていた。
通り過ぎていく数組のカップルたちを、まだ下校時間じゃねーだろ…と苦笑いで見送った。


意外と変わっていない大嫌いなこの町にもうわざわざ来ることはない。
自分の気持ちに決着をつけるための口実にLeicaを付き合わせた。
長いことできなかったのに、やっとできた。
フジヤカメラが言っていたね。
「カメラがないと強く生きていけない。」

 記憶の片隅と未練

急に決まった出張で早めに仕事が片付いてレンタカーを走らせていたら、ふと目に留まった地名に馴染みがあった。
小さい頃からよく家族で出掛けて、すごく可愛がってくれるおじさんがいたのを思い出した。
ドライブ好きな家族だったから、休日に車で出掛けるってなったら、よくせがんで連れて行ってもらっていた山の中の小さな資料館。いろんなことを教えてくれた館長のおじさんは10年近く前に亡くなっていたのは知っていたけど、なんか懐かしくて。
いつも父親の運転で行っていて、それこそ最後に行ったのははるか昔のはずなのに記憶はしっかりしていて、迷いもなく酷道と化した道を飛ばした。
携帯も圏外になってしまって、確かめようもないけど、なんとなくもう「ここだ。間違いない。」そんな心境だった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/31171465787
なんか不思議すぎる気分だった。草木が生い茂っていて向こうが見えないのに、確実にここだったと思った。
草木をかき分けて入って行くと、懐かしい建物があった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32239475098
ちょっとした広場になっていたところも完全に草木に覆われてしまっていた。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/31171465837
10年近く時が過ぎて変わってしまったとはいえ、その場所に立つと、記憶が溢れてきて、すこし立ち尽くしてしまった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/46110660141
Ricoh GR10 GR Lens 28mm/f2.8 Kodak 400TX


数枚写真を撮ったけど、写真で残されていない自分の記憶こそ残しておきたいと思ったからなんだ。
記憶の蓋が開くというイメージが今回の体験には近いものがあって、やっぱりそれはその場所に行くことで起こるんだろう。
あまり感傷的になりたくはないが、通り過ぎていった日々の記憶は大事だろうがなかろうが関係なしにどんどん薄れていく。
記憶の断片を繋ぎとめておきたいっていう未練が写真という形になるのか。

 機械ってもんはなぁ、壊れるんだよ。

このあいだThe Birthdayのライブに行ったらチバのアンプがめっちゃ良いところで不調になってしまい、アンプ蹴り上げるわ、エフェクター蹴飛ばすわ、ギター放り投げるわっていう近年稀に見るブチギレっぷりを見てしまった。
バンドを残してステージ袖に消えて、慌ただしくローディが駆け回り、戻って来たチバの一言目がこの記事のタイトルだ。


いつも旅先に持って行くカメラは悩むんだけど、特に出張では悩んでいて、今回はRICOH GRとGR10を持って行った。約2週間持ち歩いていて、GR10もご機嫌に動いていたんだけど、どうも巻き上げでジャムってしまって、不調に陥った。
結局フィルム一本分損をしたんだけど、とにかく自分の頭の中はモノクロなテンションだったのに…とショックが大きい。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32019182138
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/44977102545
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/45840689272
Ricoh GR GR Lens 18.3mm/f2.8
代替としてGRのハイコントラスト白黒で。

今回も縁あって気仙沼に行ったけど、本当にいい街だと思う。
岩井崎の方はかなり整備が進んでいた。以前行った時に破壊されたままの水門があったが、撤去されていた。
通行止になっていた公園も整備されていた。
水産高校の校舎は相変わらず建っていてなにやら工事をしていたので聞いてみると震災遺構として残すらしい。
女川の交番と比べたらえらい大きいものを残すんだなーと思ったけど、記憶って曖昧なもんだし、残せるなら残した方がいいのかもしれない。


新しいRICOH GRが発表されていて、欲しいなと思う反面、まだ手元のGRも全然現役で使えるなーと思う。
ちょっと筐体に歪みがあるのと塗装ハゲもあるんだけど、それこそ壊れるまで使ってみて、代替わりでもいいじゃないかと。
代わりとなる後継機があるって素晴らしい。

 写真の難しい風景

なんか出張で東北へ行く機会に恵まれている割に写真を撮っていないなぁと思った。
今回はバルナックライカとGRを持って行って、少し時間に余裕があったので、女川町に立ち寄ってみた。
駅前から海へと続く街がすごく整備されていて、近くにいた別の被災地から来たであろうおばちゃんたちも「思い切ったもんだねー」なんて話をしながら散策していた。
震災前に来たことのない自分からしたら、元の街がどこからどこにあったとか、そういうのが分からなくて、ただただ整備された商店街を歩いている感じだった。
海の方へ行くと交番が震災遺構として残されている内容の看板が立っていたけど、交番らしきものが一瞬分からず、通りがかりに「あ、この根こそぎ倒れてるやつが交番なんだ」って気づいた。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/45663252122
そこから港まで歩いて行く風景はどの被災地でも見かけるフェンスで囲まれた中を歩く感じで、風が吹けば嵩上げ土が舞っている風景だった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/45663249422
復興は進んでいる部分もすごくあるんだけど、海辺のフォトジェニックな風景というのが東北ではなくなってしまっていて、なかなかいつもシャッターを切ってなかったんだなぁと気づいた。
とはいえ、気仙沼の汽船乗り場もすごく整備されていたし、色々と変わって来ているんだけど。
なんか色々と考えさせられる。


駅前の広場で、小さい子たちが無邪気に笑って駆け回っていたのがなんか救われたというか、ほっこりした。