さらば友よ

「気持ちには引力がある」。サンフレッチェ広島ユースの森山監督が常日頃から言っている言葉。
ユースを大事にするサンフレッチェのいわば信条。トップチームでもそんな言葉を信じている選手は多いし、サポーターも信じてる。その言葉の申し子はやっぱり森脇良太だった気がする。
巧い選手とは言えないけれど気持ちで闘ってた選手。その頑張りで何度もビッグアーチを沸かせた選手。今年の優勝の立役者は誰かと問われたら僕は一番に森脇良太と答える。
優勝争いなんてしたことないクラブ。神様って無情だよね…ってシーンは何度も見てきた。入れ替え戦で槙野のシュートがバーに当たった瞬間とか数えたらきりがないほど、僕たちは惜しいクラブだった。
でも、優勝するかもしれん!って思わせてくれたのは瑞穂での森脇のゴールだった。石原が抜け出たあの場面で最後尾からゴールへ向かって走るなんてよっぽど強い気持ちが無いとできないよ。石原がシュート撃つかもしれなかったのに。でも、走ってくる。

劇的なゴールすぎてゴール裏で泣いた。正直、優勝のときよりも泣いた。
森脇が移籍したがってるのはわかってたから今年限りだと腹は括ってた。だから、今年の遠征をまとめたフォトブックからそっと森脇の写真は外して、名古屋戦の欄は文章で埋めた。
お前がどんなユニを着たとしても僕たちはこのシーズンを忘れない。あのゴールを忘れない。ありがとう。
さようなら。もうお前を応援することはないだろう。愛してた。


森山監督も退任されるということで、不安しか無いけど、支えていこう。新しい世代を。