四万十・足摺ツーリング〜その1

旅の動機ってのが今回は特にない。
行ったことがなくて下手したら2度と行かないかもしれないところに行きたいなーと思って、なんとなく選んだのがこの土地だっただけな気がする。
ちょうど「遅咲きのヒマワリ」ってドラマのロケ地が四万十市で、このドラマもけっこう好きで見ていて、たまたま四万十市のホームページ開いて…って流れだったかな。
とにかくきっかけは適当。だけど、行きたいときに行きたい場所に行こうってなって、そこが線路の果てのような場所だったとしても快適な足となるのが僕にとっては自転車だった。
新大阪を7時過ぎの新幹線で岡山からは特急。

JR四国の特急は輪行できるスペースが少ないのだけれど、自販機前は割とスペースが豊富。

車掌さんに一応話をして置かせてもらう。
とにかく電車に長く揺られた。
13時に窪川駅で下車して、コンビニでおにぎりと軽く惣菜を買ってバッグに押し込む。さぁ出発だ。
走り始めて間もなく、「あぁ良いコースだ」と直感した。不思議なんだけどなんかわかるときってあるよね。
少し走ると左手に四万十川が見えてきた。

「日本の原風景」っていうのはこういう風景のためにあるんだろうなと感じた。
走り始めてほどなくして沈下橋を見つけた。

四万十川に来たんだなーと感慨に浸りながら、渡ってみる。

「日本最後の清流」なんて言われるけど、実際に目にしてみるとほんとに綺麗で透明で透き通っていて驚いた。
窪川から二つ目の沈下橋の川岸でコンビニで買ったおにぎりと惣菜のお弁当を開いて食べた。

なんの変哲もない食事なんだけど、ロケーションと天気に恵まれると贅沢なものになる不思議。
上流は観光客も少なくてのんびりできる。

沈下橋を見つけたらとりあえず川辺まで降りて見物していたので、だんだんと陽が傾いてきた。
来る前からなんとなくイメージしていたことだけど、四国の道にはほとんど街灯がない。

日が暮れてしまったら完全に真っ暗な中走ることになる。それは避けたい。
時間に追われて走るってのは楽しくないし好きじゃないけど、仕方ない。
本当にこれ国道なの?って思うほど舗装の悪い道を疾走する。Deseoは悪路でもしっかりと衝撃を吸収してくれるしちゃんと反応してくれる。辛いときに背中を押してくれる感じ。こいつは良いパートナーになれそうだ。
ちょうど日が暮れる頃、中村市街へ入った。
ホテルのフロントで自転車を預けて晩御飯。ウツボのたたきとか珍味を鱈腹いただく。写真はない。だってほぼ無補給で走ってたからがっついたんだ。
この日見た景色は忘れられない。そして明日からの景色を想像しながら床に就いた。


走行距離93.4km
av:23.7km/h

撮影:GXR A16,GR DIGITAL II