美しいモノクロームを求めて

写真展を機に考えたこととのまとめ的な。

京都であった中藤毅彦氏の写真展に行ったこと。
それまでも写真展でモノクロを見たことはあったけど、印画紙の美しさと粒子感に圧倒された。
インクジェットの作品もあったけど、あっさりと分かってしまうほど、美しさに差があった。
在廊中だったご本人から、暗室ワークを勧めてもらったことから全てが始まった。
心の中の師匠だ。
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正直にモノが写るのがモノクロだと思っている。
写真として現れるまでのほぼ全ての工程*1を「体感」できる。
レンズのコントラストだとか階調だとかも自分でプリントするとすごくよくわかる。
そういう体感したことって身になると思うしリアルだ。
特にプリントを本格的に学んでからは写真の見方も含めて色々と変わった。
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  • 引き算の世界だった

単純にカラーで撮るのと同じように最初は撮っていたけど、モノクロに写るものって、コントラストと光の濃淡だけだから、極端な話、写したいものが写っていない写真が成立するし、そういう写真が評価される世界でもあった。
写真展にいる自分の写真を見て、一番後悔したところはそこだったかな。もっと抽象的な何かでもよかったというところ、もっとコントラストの高い被写体だったらもっといい感じで焼けたのにっていうところ。


https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/36125216354
Leica M6 Summicron 50mm/f2 kentmere Pan400


写真展に出すっていう、一つの目標は達成したけど、ここからが本当の意味でのスタートな気もする。
写真は画面じゃなくてプリントで見るのが一番美しい。美しい写真を作る=美しいプリントを作ることでもある。
もっといろんなものを撮ってもっといろんなものを焼いて、もっと上手になりたい。

*1:現像→プリントの過程