暗い中から見えるもの

暗室の中で作業していて、はじめのころは現像液からゆらゆらと画が滲み出てくる様子がすごく不思議で楽しかった。
近頃は、けっこう慣れてきたのもあるけど、テスターを使わなくても、あぁこのネガの濃さだったらストレートで何秒だなとか勘があたるようになってきて、同じ内容でも掛かる時間が半分以下になってきた。
暗室作業はやっぱりどこか不思議で楽しい。それこそ日常の世界から切り離された空気感が漂う。
最近、マキナ67のニッコールレンズとローライフレックス3.5Fのプラナーのネガを暗室内でピントルーペで見比べた。
どちらもすごい解像力で驚く。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39191832564

ちょうどマキナはこのコマだったけど、ガラス面に反射した木の葉がくっきりでびっくりした。
プラナーは解像力はもちろんだけど、ボケの粒子感や暗部の落ち方がすごく上品で、本当にいいレンズだと思った。
レンズごとの描写の違いって、実はけっこう顕著だというのが個人的な感想。
たまに、見比べても素人にはわかんないよ。なんて意見もあるけど、手焼きのストレートプリントみたらちょっとした違いに気がつくと思う。
「良いレンズが良いネガを作る。良いネガが良いプリントを作る」って言われた。
ほんとにそうだと思う。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39977935681
PLAUBEL makina 67 Nikkor 80mm/F2.8 Ilford HP5 Plus

写真やカメラはあくまでコミュニケーションツール。
生活がちょっと楽しく愉快になれれば良い。