行けたから、もう行かない

心にずっと引っかかっていた場所に行った。
苦い思い出が多すぎて、大嫌いな町。
そこには僕のやめた高校があって、どうしようもない自分がいた。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/45627566434
心の清算が終わっていないとずっと思っていて、やっと自分の足で来ることができた。
青春の一ページなんて下らないんだけど、そういう時代の失敗って意外とずっと心のどこかに引っかかっていてトラウマみたいになってしまうことも多いはず。
でも、とある人に「その経験がなかったらどうなっていたと思う?」ってふいに問われた。
きっと自分の好きな音楽も聴いていなかっただろうし、好きな本も人間も、もちろん写真だって変わっていたかもしれない。
それほどドラスティックな経験だったんだ。もう今更戻れないしね。

https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32478729998
Leica M Monochrom Summaron 35mm/f3.5
どうしようもない僕たちが授業をばっくれて帰っていた”裏”通学路が今でも存在していた。
懐かしくなって歩いていたらギョッとした。今では人目を忍んで帰りたいカップルたちの”裏”通学路になっていた。
通り過ぎていく数組のカップルたちを、まだ下校時間じゃねーだろ…と苦笑いで見送った。


意外と変わっていない大嫌いなこの町にもうわざわざ来ることはない。
自分の気持ちに決着をつけるための口実にLeicaを付き合わせた。
長いことできなかったのに、やっとできた。
フジヤカメラが言っていたね。
「カメラがないと強く生きていけない。」