俺の愛車と他人のために踏むブレーキ

乗っている車に愛着はない。たまに蜘蛛の巣が張っているし、野良猫の足跡がボンネットについているし、たまに野良猫がボンネットで寝ている。
むしろその野良猫への愛着のほうがあるから、「お、今日も気持ち良さそうやな」と一瞥して家に入るレベル。
洗車だってしない。半年に一度のディーラー点検の時に洗車機でやってくれる。
ガソリンスタンドにだって行かない。年間走行距離が3000kmほどなのに航続距離が900km前後だから。
そもそも別の車を買おうとして、一応相方をディーラーに連れて行って買う予定だった車に乗せたら、「絶対嫌だ!」とゴネ始めた挙句に、MINIかSMARTが良いって言ってたのに…とか、SUBARUにも行きたいとか言い出して、今日契約だ!くらいのディーラー営業マンと自分は劇焦り。
そこから地獄の全ラインナップ試乗…。今の車を相方はとにかく気に入り、試乗車と同じ色、同じグレードを買うことになった。なんなら試乗車にのって帰りたいとすら言っていた。
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サービスメンテナンスでディーラー営業マンから乗り換え打診含めて1グレード上の車種を代車にあてがわれた。
乗った瞬間にあれ、これじゃないな感が自分の中で結構あって、慣れる慣れないの話じゃなくて、あーこれ違うわ…と思いながら運転していた。
いつも乗っている営業車も違うなーって思いながら運転してるけど、それよりも違った。これは感覚の話。

いつもと違うと心の余裕が生まれない訳で、いつもなら絶対に譲っている場面でもブレーキのタイミングが悪くて譲り損ねたりした。

代車から自分の車でディーラーから帰る途中、いつもの運転をしていたら、3回も他人から感謝された。
ただちょっと道を譲ったり、横断歩道に歩行者がいたから停車して促したり、自転車を先に渡らせただけなのに。
感謝されると嬉しい。ちょっとハッピー。しかも大したことしてないのに。ただブレーキを少し踏んだだけ。
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心の余裕がないと思いやりなんて生まれないんだなって思った。
最近、他人のためにしたことで逆に怒られたり、サイコ野郎みたいな人間と時間をともにしてしまってモヤモヤしていたけど、ちょっと気が楽になった。
音楽もかけずただロードノイズとエンジン音に揺られるドライブだったけど、それが良かった。