CAPE OF GOOD HOPE

年末に過去にGRで撮った写真を片っ端から見返して、フィルムのGR1で撮ったネガはプリントしてデジタルのGRで撮ったデータはフォトブックにしていった。Gallery Room 305で今年の初っ端に開催された「GRと私。」展に参加するためだ。
GRはフィルム、デジタル問わず日常的に使っているカメラで、ライカよりも遥かに付き合いの長い愛機。もともと、2022年は展示機会を増やしたいな、どこか出したいなって思えるギャラリーの展示には参加しようって決めていたから、さくっと出展を決意した。
デジタルデータはとにかく半端じゃない量の中から好きな写真を選抜して行って、ずらっと並べて濃淡やコントラストを合わせていく作業に没頭した。膨大な量の写真から自分の心情に合わせて選んでいくと自然と方向性が固まっていくのが面白かった。
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銀塩プリントはとにかくキャビネ版に焼きまくった。めちゃくちゃいろんな種類を焼いていったつもりだったけど、最後の方には、実は撮っているものって偏っていて、それがたぶん選択する自分が今心地いい写真なんだろうと思って、それを六つ切りに焼いた。なんとなくだけど、大きな印画紙に焼くよりも六切りくらいのサイズ感がGRっぽさが分かる気がしたから。
銀塩プリントを5点とフォトブックをギャラリーに置いてもらった。「GRと私。」という展示趣旨に対してプリント5点では物足りなかったのと、今回はデジタルをプリントする気はさらさらなくて、デジタルはなんか別の形で…と思っていた。結果的に、銀塩プリントの続きがフォトブックにあるような構成にできたのはよかった。
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展示をしてしまえば、なんとなく自分の写真が自分だけのものじゃなくなった気がして、安堵する。それが多数の人が見ていてもそうじゃなくても。
Gallery Room 305では「GRと私。」展の翌週の「写真とロック」展にも出展した。こっちは完全にデジタル作品でA4額装を2点。プリントもギャラリーにお願いしてしまったけど、そういえばプリントまで全部お任せして展示するのって初めてだなって。自分の手から簡単に離れてどっか遠くまで行ってくれるのはデジタルの良いところかもしれない。
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「世界の果てまで行きたい」ってずっと思っていて、「世界の果てって英語でなんて言うんだろう?DEADENDかな?」なんて考えていたけど、昔、世界の果てだった場所が「希望峰」になったみたいに、いずれ海の果て空の果てなんて、どこかの誰かが見つけて超えていくんだろう。「世界の果て」なんて自分の想像の限界に過ぎないんだろうって思って、フォトブックのタイトルを「CAPE OF GOOD HOPE」にした。
今年は自分の諦めを超えていきたい。