暗室作業のお手本 

暗室作業ってなんか書道教室に似てる。
とにかく自分の頭の中にあるお手本に似せていく作業なところとか、結局、判断の基準が自分の中にあるところとか。
あんまり突き詰めてしまうと際限がなくなるところまでそっくり。
実は十数年間くらい書道をやっていた時期があって、それこそ最初の頃はお手本通りに書いていくんだけど、最後の数年間はお手本っていうものが自分の中にあるようになって、そこにずっと答えを求めいく感じだったなぁと…。最後の方には、何が何だかわからなくなってくる。


暗室作業も似た感じで、追い求めていくと際限がない。
特に夜に暗室作業をしちゃうと若干ハイになってる部分もあるから、それこそダメだ。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/33087122374
Leica M6 Summicron 35mm/f2 Kodak 400TX
この間写真を追い込んでやっている時とか、壁の色乗りが気に入らないとか色々と悶々とした感じになっていって、あーこれはやばいなぁと。
不意に加山雄三の「お嫁においで」が脳内にひたすらリピートされて、いよいよダメになって暗室を出た。
そんな時に別のをポンとやって見ると、イメージ通りに焼けたりして、そんなもんなんだよなぁ。


次暗室に入る時には何も考えずにひたすらベタ焼きを作り続けようと思っている。
それこそどんなものが焼きたいかはベタ焼きをみながら考える方がスキャン画像をPCモニターで眺めるより良い案ができそうな気がするから。

 3月の記憶

一ヶ月ほど東北で船に乗っていた。
おかげでほとんど写真と離れた生活を送った。
船内生活っていう閉鎖されたコミニティの中で、外から来た自分を受け入れてくれた人たちには感謝しかない。

今週、関西に戻ってきたが、3月という季節が完全にすり抜けてしまったためにいまいち体調が優れない。
東北では雪が降っていたり朝氷点下だったりが普通だったから、こんなに温かいところにポンと戻されても困る。
困るといえば、なかなかに浦島太郎状態なので知り尽くしていたはずの街角に違和感があったりする。

東北にいるあいだ、Rollei B35だけは持っていたけど、ほとんどシャッターを押す機会はなかった。
船室の窓から外を撮ってみたりしたけど、つまらなくなってやめてしまった。
3.11には防災無線が鳴って車が止まって復興工事の騒音も止んで、みんなで海に向かって黙祷をした。
港にいる誰もが黙祷をしていた。

次の日に車に乗って近くの町を彷徨って、震災遺構を見たりした。
ふと岸壁から海を見ると、無数の花が浮かんでいた。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/33800526511
Rollei B35 Triotar 40mm/f3.5 Kodak 400TX

 自分への投資とモノクロプリント

本気でモノクロプリントに取り組むべきタイミングだと思ったのと、なかなかブレークスルーできない現状を憂い、モノクロプリントを「修行」した。
要は教室に通ったってことなんだけど、会社終わりに3時間半ほどレクチャーを受けながら作業する日々はなかなかに辛かった。スキル的には上達した気がするし、自分がどうしても濃いストレートプリントを焼いてしまう癖がわかったのと、フィルターワークや焼き込みも我流ではなくなったのは良い成果だった。
安くはない投資だったけど、やっぱり我流で続ける限界というか、評価の基準を自分の中から外に出す行為は今のタイミングで必要だったと思う。
夏ごろに終了展なるものが予定されているので、グループ展示とはいえとうとう写真展デビューを果たすことになりそうだけど、展示して人様に見てもらえるプリントに仕上げられるか色々と不安だ。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/33010665276
Leica M6 Elmar 50mm/f2.8 Kentmere Pan400
ところで、プリントしていると、どうしても眠くて使いづらいネガがあって、露出が上手いこといってないのかとか色々悩んだんだけど、結局レンズの性能ってところに帰着しそうなものがあった。
四つ切バライタなんかにプリントするとそれはますます顕著で、個体差かも知れないけど、レンズというかカメラの序列が自分の中で崩れた。
夏までの短い期間に試行錯誤する余裕もないので、当面はズミクロンだけを使い続けることになりそうだ。

 NO FUTUREな今日

気付いたら年を重ねていて、無為に過ごした日々を悔しがる、そんな終の瞬間なんてまっぴらだ。
今週末は突然の寒波に予定が狂ってしまった。
仕方がないので読書に耽っていたが、読みたい本は山積しているし、写真を撮りに街に出たいし、自転車でツーリングにも行きたいし、行きたいバーや行きたいカフェは沢山あるんだ。いつでも行けるからって行っていないレストランで食べたいメニューもまだ残っている。
圧倒的に時間が足りない。
もっと貪欲に生きたい。
こうでありたいと願った”明日”がまともにそうなったことなんてあるか?
明日は表に出れないほどの大雨が降るかもしれない。
来るかもわからない素晴らしい未来に希望を抱くなんて妄想野郎のやることだ。
今をもっともっと貪欲に生きたい。
本当に強く思った。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/31336106075
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/30967493690
Leica M typ262 Voigtländer COLOR SKOPAR 35mm F2.5 P II
街の落書きやステッカーが好きすぎて、最近、イラストの画集とかもよく見ている。
Banksyの作品集がすごくカッコよくて、風刺っていうかスパイスが効いていて感激した。

Wall and Piece

Wall and Piece

あとはRockin Jelly Beanも好きだ。
エロくてロックでかっこいい。
PUSSYCAT!  KILL!  KILL!  KILL! (Panーexotica)

PUSSYCAT! KILL! KILL! KILL! (Panーexotica)

部屋にこもって本を読みまくって、いろいろ感じたり、画集探しに本屋巡って予定と違う本見つけて買ったり、今まで興味のなかったものにハマったり。
足りない時間と足りない経験は、人様がせっかく本にまとめてくれてるんだから使って使って糧にしよう。

 悪い人たちがやってきた

BJCの曲にあるじゃない。
「悪い人たちがやってきてみんなを殺した」って。
最近、トイラボさんを巡る話がけっこう話題になっていて、正直ネガティブなことしか書けないから、スルーしようと思っていたんだけど。
よく見ているブログで「こんなに未払い多かったら、写真系のブログやインスタに写真あげてる人の何%かは未払いの人もいるんじゃないの?」って書かれてて、そうか、そういう考えもあるなと。
良いなと思った写真が盗品かもしれないって考えると急に白ける。
「ほとんどの」トイラボ利用者は未払いという現実があるから。
未払いの多いカメラを公表されていたが、あーよかった自分の使ってるカメラなくて…と思った。
そもそもいろいろ厳しい中ラボやってる人って本当に写真とかカメラとか好きでやってんだから、あぁいうのも公表したくなかったんだと思う。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/31423990592
Leica M typ262 Summicron 50mm/f2
細く長くで続いていくはずの道、踏み外して行き着く先は地獄の一丁目
相場は決まってる。

 終わりゆく冬の彩

雪が積もって喜ぶ年齢でもなくなったけど、やっぱり少しテンションが上がった今年の冬。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32399117762
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32399119672
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32510916706
Ricoh GR10 Fujifilm X-TRA400
2月に入ってこれからは徐々に暖かくなっていくんだろうか。
気温が少し上がってきて、冬も終わりだなぁと思ったりする。
冬の色彩も好きだったけど、カラーで撮る本数が少なかったかな。

 自由を手にいれた

かなり久しぶりに自転車が欲しくなって、ブロンプトンを手に入れた。
元々、乗り物を運転するのが好きだから、自転車はずっと好きで、割と本格的にロードをやっていた時期もあるのだけど、いわゆる自転車ブームに辟易して、3年ほど離れていた。
久しぶりに乗ると、やっぱり自転車は最高に自由な乗り物で、自分のペースで好きなところまで行けて、しんどくなったら押して歩いても電車に乗せてワープしちゃっても良い気楽さが最高だ。
そんなことを言いながら、届いたブロンプトンでいきなり峠を登って死んだ。ロードと違って車重が重いのもあるけれど、とにかくブランクを埋めるのが先決だ。
自由と無責任が紙一重な「ブレーキなし問題なし」な人たちもブームに乗ってメインストリートに出てきてしまったものの、今は元々の裏路地に戻って行ったみたいだ。
それなりに落ち着いた範囲の中で面白おかしくやるのが一番気持ちいいからね。
http://www.flickr.com/photos/126161047@N02/32417324906
Leica M typ262 Summicron 50mm/f2
鴨川の鴨だって奥琵琶湖に行ったら撃ち殺されて鍋にされちゃうかもしれない。