近況つらつら

苦心して完成させた写真が評価されると嬉しい。
ギャラリーのオーナーに「この写真えらい褒めてる人いてたよ」って言われて嬉しかった。グループ展とはいえ3回目の出展で、他のギャラリーで出した展示を覚えてくれていてそれも嬉しかった。
実際に人から反応が来るのはやっぱり展示の良いところで、初回のときに来場者からのコメントで指摘されたこととか、やっぱり勉強になったし、それ以降相当気を遣っている。
「写真はコミュニケーションツールだ」って言われたことがあるけど、リアルな反応が返ってくるから写真展は良いなぁと思う。
途中で投げ出したくなったり、苦労もたくさんあるけど。
秋に京都で展示を企画しているので、是非色んな人に見てもらいたいなと思う。


黄金週間中にマキナ67を持って長崎に行ってめちゃくちゃ坂道を上り下りしたら次の日に熱が出た。マキナ67は見かけによらず重い。
熱が下がってライカM6を持って出掛けたらアスファルト落下した。しかし意外と頑丈。
過ちを繰り返してはならぬと強い覚悟でローライB35をぶら下げて出掛けた。


現像液をロジナールからID-11に変えた。HP5に関しては完全にID-11の方がキレイに現像できた。
うなぎのタレ的現像液を目指そうと思う。


今週は久しぶりに伊豆に出掛けた。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/42077327481
Leica M typ262 Summicron 35mm/f2.0
未現像フィルムが10本を超えているので今回はデジタルライカを持って行った。いいカメラだ。
現像頑張らねば。

 暗がりから少し出てきて

写真展への出展が続いてしまい精神的にちょっと疲弊。
何時間暗室に篭っても納得の一枚が出来ない。乾燥して並べてみると、おっと思うのがちゃんとあって、やっと納得…みたいなことの繰り返し。
例えばこの暗室ワークが全部デジタルになったら楽なのかと思って、色々と調べてみたけど、やっぱりプリンターだとかインクだとか印画紙だとか、やってることが暗室より身近なパソコンに変わっただけであまりプリントの本筋のところは変わってない印象を受けた。まぁ、インクの耐久性という問題はもちろん残るんだけど。


フジがアナログモノクロ業界から消え去ると聞いた。以前よく使っていた多階調印画紙をやめた時点でイルフォードに完全移行していたので、特に影響はないけど、やはり影響を受ける人たちもいるみたいだ。
どちらにしても、もはや写真学科でも暗室ワークは教えていないところは少なくないらしいし、よりニッチなものになるんだろうな。個人的には今使っているフィルムが安定供給されている以上、フィルムで写真を撮る事はやめたくないかな。
ffis.fujifilm.co.jp


たまたま出張で関東に行っていたので、東京都写真美術館へ行ってきた。
圧倒的な写真の力の前に、そういう技法的なものとか云々はどうでも良い気持ちになる。
「デジタルかアナログかですって?くだらない。写真は写真よ」ジル・フリードマンのちょっとうんざりした表情が浮かんだ。



久しぶりにいつものカフェでひと時を過ごした。
少しいつもの感覚に近づいていく。雨上がりの空がすごくキレイだった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/40577236245
Leica M typ262 Summicron 50mm/f2.0

 写真集とオリジナルプリント

本を残さないようにしている。
全てスキャンしてしまうか、はじめから電子書籍で買うか、読み終えたら人に譲ったりしている。
年間の読書数は多い方だと思うけど、本は残していない。
しかし本棚はいっぱい。全て写真集だ。
毎月2冊ずつくらい増えていると思う。
今月は4冊の写真集を買った。いい加減本棚から溢れている。

SPIDER'S STRATEGY

SPIDER'S STRATEGY

金村修の「SPIDER'S STRATEGY」は実に2年近く状態と価格のバランスの良いものを探してきて、ようやく納得するものと出会えた。金村修は好きな写真家なのでこれで4冊目。マキナ67に憧れたのも、この人の影響。

K(ケイ)

K(ケイ)

森山大道の「K」は、書店で撮って、本当にいい写真集だと思って購入。デジタルに移行したあとで一番フィルム時代の作品に近い気がする。マネキンの写真が「らしくて」すごく良かった。

It's All Good

It's All Good

あとは、フォトグラファーインニューヨークに出演していたBoogieの写真集。
土門拳賞受賞の梁丞佑「新宿迷子」と少しテイストというか臭ってくる空気感が一緒だった。
「新宿迷子」が歌舞伎町のヤクザと酔っ払いとホームレスと子どもが主題だとすれば、こちらはギャングと薬物中毒者とホームレスが主役。
完全にラリッてる若い女性のポートレイトが目がいってるんだけど、すごく綺麗で美人に見えて不思議な良い写真だった。

Belgrade Belongs To Me

Belgrade Belongs To Me

同じくBoogieの写真集。こちらのほうがヒューマニティみたいなもんが感じられてまだ温かみがある。
故郷・ベオグラードが舞台だからだろうか。


写真集を見ているとたまにオリジナルプリントが欲しいなって思うけど、収集家の人に言わせると安易に手に入れないほうが良いらしい。
集合体の中の一枚から、ずっと鎮座する一枚になったときに本当に飾るロケーションにあってるのか、ちゃんと見合ったケアが出来るのか考えてると、高いプリントは神経を使いすぎると…。
まぁ、著名な写真家のオリジナルプリントを飾る前に自分のプリントを飾ってみると良いんじゃないかな。

 ファインダーの先に集中する

旅に出る寸前で、マキナが重い!ってなってライカを持って行った。
ディープスポットが多い旅だったので、正解だった気もするけど、どんなところでもマキナ構えてバシバシ撮れるくらいファインダーの中に集中したい。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/40524023102
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/26695229108
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/38756334070
Leica M6 Summicron 50mm/f2.0 Fomapan 400


iPadの中にいつも映画を数本入れているけど、ちょっとした時によく見るのが「フォトグラファーズ・イン・ニューヨーク」
ほんとにすごい頻度で見てる。

それぞれのフォトグラファーが追いかける被写体はみんな違うけど、写真撮るときの集中力が本当にすごくて素晴らしい。
この間、カメラ屋さんで話し込んでた時に、何が良い写真かって話になって、「気配とか情緒が写ってる写真」はやっぱり良いよねって話になった。
そこに誰かいなくても、ちょっと前まで人が居たんだなっていう空気感、逆に、生活感が漂っているのにもう人は長い間ここには居ないんだなっていう空気感が写っているかのような写真は、情緒があるっていう話。


写真なんて500分の1とかで撮ってるから、そこまで写るかは知らないし、別に写んねえよって言われたら、そりゃそうなんだけど、500分の1で撮った瞬間を何時間もかけて現像したりプリントしたりして、プリントされた瞬間は100年以上残るかもしれないんだから、その間に撮影者や見る人の何かがこもることって絶対ある気がするんだよね。

 冬も終わるぞ

今年の冬は良い感じだった。
初めて行った場所もあったし、写真を撮る上でも色々と考えるきっかけができた。
いろんな場所に行った。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/26462712138
Leica M typ262 Summicron 35mm/f2.0
寒いところから暑いところまで、ほんといろいろ。


最近、時間が勿体無いなーと思ってソーシャルゲームを全部やめた。
その代わりに英語の勉強してるんだけど、自分がそれなりに興味のある分野の勉強って別にそこまで苦にならないことに気づく。
学生の時も結構遊び感覚でやれてた分野って得意だったし、そういう意識ってやっぱり影響すると思う。


同じ時間はもう来ないし、自由に使える時間はどんどん減って行くんだろうから、やりたいことを明確にして、しょうもないことからは身をかわして行きたい。


物欲ってわけでもないけど、引き伸ばし機が欲しい。
自宅プリントをしたい。大キャビネくらいで良いから。
それかMMが欲しい。カラーフィルターの載っているカメラでモノクロームって言ってもねぇって気になったから。
シグマのFoveonも同じような原理でモノクローム撮れるらしいね。
まぁでも、やっぱりモノクローム銀塩の世界で続けたいかな。67対応の引き伸ばし機欲しい。

 暗い中から見えるもの

暗室の中で作業していて、はじめのころは現像液からゆらゆらと画が滲み出てくる様子がすごく不思議で楽しかった。
近頃は、けっこう慣れてきたのもあるけど、テスターを使わなくても、あぁこのネガの濃さだったらストレートで何秒だなとか勘があたるようになってきて、同じ内容でも掛かる時間が半分以下になってきた。
暗室作業はやっぱりどこか不思議で楽しい。それこそ日常の世界から切り離された空気感が漂う。
最近、マキナ67のニッコールレンズとローライフレックス3.5Fのプラナーのネガを暗室内でピントルーペで見比べた。
どちらもすごい解像力で驚く。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39191832564

ちょうどマキナはこのコマだったけど、ガラス面に反射した木の葉がくっきりでびっくりした。
プラナーは解像力はもちろんだけど、ボケの粒子感や暗部の落ち方がすごく上品で、本当にいいレンズだと思った。
レンズごとの描写の違いって、実はけっこう顕著だというのが個人的な感想。
たまに、見比べても素人にはわかんないよ。なんて意見もあるけど、手焼きのストレートプリントみたらちょっとした違いに気がつくと思う。
「良いレンズが良いネガを作る。良いネガが良いプリントを作る」って言われた。
ほんとにそうだと思う。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39977935681
PLAUBEL makina 67 Nikkor 80mm/F2.8 Ilford HP5 Plus

写真やカメラはあくまでコミュニケーションツール。
生活がちょっと楽しく愉快になれれば良い。

 月の上のなんとか

The Birthdayの一番新しいアルバム「NOMAD」の最後のトラックが隠れた名曲だと思う。
ツアーでも聴いたけど、一番心に残っている。
どんなロックナンバーより沁みて上がるミディアムバラードってあるでしょ。


久しぶりに旅らしい旅に出掛けて、そのときに最近ずっと使ってたマキナじゃなくてライカを持っていった。
なんというか、自分の中での一番の相棒というか、信頼度が高いのがライカ、それもM6で、実用度で連れて行った。
レンズはいろいろ持っているけど、やっぱり基本は50mmのズミクロンだよねってことで1本だけ持っていった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39191795984
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39191795504
Leica M6 Summicron 50mm/f2.0 Fomapan 400


旅先の上辺だけ見て、楽しいだの嬉しいだのっていうのがなんかすごい陳腐だなぁって毎回思うのが何とかならないかなぁって思っている。
非日常に逃げ込んでいるんだから、そこで浮かれなきゃどうするんだって気持ちももちろんあるんだけど、なんか違うんだよなぁ。


今度はマキナとじっくり旅がしたい。
マキナはちょっとテンポがのんびりさんだから、一人旅が似合いそう。