ファインダーの先に集中する

旅に出る寸前で、マキナが重い!ってなってライカを持って行った。
ディープスポットが多い旅だったので、正解だった気もするけど、どんなところでもマキナ構えてバシバシ撮れるくらいファインダーの中に集中したい。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/40524023102
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/26695229108
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/38756334070
Leica M6 Summicron 50mm/f2.0 Fomapan 400


iPadの中にいつも映画を数本入れているけど、ちょっとした時によく見るのが「フォトグラファーズ・イン・ニューヨーク」
ほんとにすごい頻度で見てる。

それぞれのフォトグラファーが追いかける被写体はみんな違うけど、写真撮るときの集中力が本当にすごくて素晴らしい。
この間、カメラ屋さんで話し込んでた時に、何が良い写真かって話になって、「気配とか情緒が写ってる写真」はやっぱり良いよねって話になった。
そこに誰かいなくても、ちょっと前まで人が居たんだなっていう空気感、逆に、生活感が漂っているのにもう人は長い間ここには居ないんだなっていう空気感が写っているかのような写真は、情緒があるっていう話。


写真なんて500分の1とかで撮ってるから、そこまで写るかは知らないし、別に写んねえよって言われたら、そりゃそうなんだけど、500分の1で撮った瞬間を何時間もかけて現像したりプリントしたりして、プリントされた瞬間は100年以上残るかもしれないんだから、その間に撮影者や見る人の何かがこもることって絶対ある気がするんだよね。

 冬も終わるぞ

今年の冬は良い感じだった。
初めて行った場所もあったし、写真を撮る上でも色々と考えるきっかけができた。
いろんな場所に行った。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/26462712138
Leica M typ262 Summicron 35mm/f2.0
寒いところから暑いところまで、ほんといろいろ。


最近、時間が勿体無いなーと思ってソーシャルゲームを全部やめた。
その代わりに英語の勉強してるんだけど、自分がそれなりに興味のある分野の勉強って別にそこまで苦にならないことに気づく。
学生の時も結構遊び感覚でやれてた分野って得意だったし、そういう意識ってやっぱり影響すると思う。


同じ時間はもう来ないし、自由に使える時間はどんどん減って行くんだろうから、やりたいことを明確にして、しょうもないことからは身をかわして行きたい。


物欲ってわけでもないけど、引き伸ばし機が欲しい。
自宅プリントをしたい。大キャビネくらいで良いから。
それかMMが欲しい。カラーフィルターの載っているカメラでモノクロームって言ってもねぇって気になったから。
シグマのFoveonも同じような原理でモノクローム撮れるらしいね。
まぁでも、やっぱりモノクローム銀塩の世界で続けたいかな。67対応の引き伸ばし機欲しい。

 暗い中から見えるもの

暗室の中で作業していて、はじめのころは現像液からゆらゆらと画が滲み出てくる様子がすごく不思議で楽しかった。
近頃は、けっこう慣れてきたのもあるけど、テスターを使わなくても、あぁこのネガの濃さだったらストレートで何秒だなとか勘があたるようになってきて、同じ内容でも掛かる時間が半分以下になってきた。
暗室作業はやっぱりどこか不思議で楽しい。それこそ日常の世界から切り離された空気感が漂う。
最近、マキナ67のニッコールレンズとローライフレックス3.5Fのプラナーのネガを暗室内でピントルーペで見比べた。
どちらもすごい解像力で驚く。
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ちょうどマキナはこのコマだったけど、ガラス面に反射した木の葉がくっきりでびっくりした。
プラナーは解像力はもちろんだけど、ボケの粒子感や暗部の落ち方がすごく上品で、本当にいいレンズだと思った。
レンズごとの描写の違いって、実はけっこう顕著だというのが個人的な感想。
たまに、見比べても素人にはわかんないよ。なんて意見もあるけど、手焼きのストレートプリントみたらちょっとした違いに気がつくと思う。
「良いレンズが良いネガを作る。良いネガが良いプリントを作る」って言われた。
ほんとにそうだと思う。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39977935681
PLAUBEL makina 67 Nikkor 80mm/F2.8 Ilford HP5 Plus

写真やカメラはあくまでコミュニケーションツール。
生活がちょっと楽しく愉快になれれば良い。

 月の上のなんとか

The Birthdayの一番新しいアルバム「NOMAD」の最後のトラックが隠れた名曲だと思う。
ツアーでも聴いたけど、一番心に残っている。
どんなロックナンバーより沁みて上がるミディアムバラードってあるでしょ。


久しぶりに旅らしい旅に出掛けて、そのときに最近ずっと使ってたマキナじゃなくてライカを持っていった。
なんというか、自分の中での一番の相棒というか、信頼度が高いのがライカ、それもM6で、実用度で連れて行った。
レンズはいろいろ持っているけど、やっぱり基本は50mmのズミクロンだよねってことで1本だけ持っていった。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39191795984
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39191795504
Leica M6 Summicron 50mm/f2.0 Fomapan 400


旅先の上辺だけ見て、楽しいだの嬉しいだのっていうのがなんかすごい陳腐だなぁって毎回思うのが何とかならないかなぁって思っている。
非日常に逃げ込んでいるんだから、そこで浮かれなきゃどうするんだって気持ちももちろんあるんだけど、なんか違うんだよなぁ。


今度はマキナとじっくり旅がしたい。
マキナはちょっとテンポがのんびりさんだから、一人旅が似合いそう。

 雪が見たくて

年が明けてから寒い日が続いている。
この間なんてたまたま新潟に行ったら寒波直撃。2時間ほどで雪に閉ざされた街を見てびっくりした。
雪国には住めない。


そう思ったのに、今朝起きたら雪がうっすらと残っていて、山手のほうを見たら残雪がありそうだった。
ネガをまいたライカを持って出たんだけど、なんかあんまり寒いとカメラに悪い気がして、デジタルに持ち替える。
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39683736261
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/38786069175
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/25811789518
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39683748821
https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/39683748351
Leica M typ262 Summicron35mm/f2.0

東山とか北山とかは雪がすごいって話だったけど、ちょっと行くのがめんどくさて嵐山から愛宕山を目指したけど、まったく積雪なし。
自転車やってたときにあのあたりは庭みたいなもんだったから、六丁峠まで来て、あぁ雪見れないわと思って撤収した。
峠の温度計は1℃だったけど、森の中はすごく湿っていて、風もなくて、なんかぬくもりを感じた。
京都って山が近くてちょっと歩けば自然を感じられるのは良いことだなと思う。


今年は今までやりたくてやれてないことをしたいと思っている。
例えば、ほんとうに無計画でのバス旅とか電車旅とか。
学生の時にダーツの旅やったのを思い出す。無駄に天橋立までいったっけ。
今だったらカメラ抱えていけばすごく楽しくていろいろと感じられる機会になりそうだ。
でも、あぁいうのって、時間が無限にある学生の特権なんだろうね。
貴重な時間をそんなバカなことに使える贅沢な大人になりたい。

 2017年の雑感とアウトプットにこだわりたい2018年

https://www.flickr.com/photos/126161047@N02/38526274425
Leica M typ262 Summaron 35mm/f3.5
プリントした写真をスキャンするのってめんどくさいから最近ちょっとデジタルライカをひっ捕まえて出かけることが多い。
アナログはアナログ表現がやっぱり一番適しているし、デジタルはデジタル表現がやっぱり一番適しているんだと思う。
今年の出来事といえば、写真界隈では写真展に参加したこと、それ以外だと船中生活を送ったことくらいだろうか。
両方ともすごいことしたなぁって感慨深いし、考え方が変わった出来事だった。


今年は働き始めて一番忙しいくらいの年だったのもあるけど、過去10年間で唯一、沖縄旅行ができなかった。
あとなんか何も考えずにふらっと遠出することができなくて、ちょっと保守的な感じだったと反省している。


写真と同じことだけど、自分の中で毎年やってることとかポジティブなルーティンは絶対に崩すべきじゃない。
写真の場合もそうで、今年は撮影に困ったら行く場所が自分の中で何箇所か決まっていて、そこに行くと撮りたい物がはっきりしてくる気がした。
実際に、写真展に展示した写真たちは、その場所で撮ったものは一枚も使わなかったけど、なんとなくそこで作っていたイメージに沿うものだった。


グループ展なんかを見ると、その人となりが何と無くわかるというか、神経質そうな人は神経質そうな写真だし、四面四角な人はやっぱりスキのない構図だし、性格が出ているようで楽しかった。
撮影自体は500分の1とかで行われる行為だから、そこからの取捨選択の結果が個人差が出るのだろう。


そんなこんなで来年もグループ展が控えているのだけれど、自分は乗っかるだけな感じ。
たまたま今日ちょっとしたギャラリースペースを貸してもらえる話があったので、来年後半に自分でイニシアチブがとれる写真展を開こうと思う。
写真は紙で見てなんぼ。

 マキナ67のちょっとしたまとめ

マキナ67を持って街へ出掛けると他のカメラよりも圧倒的に声をかけられる。
ちょっと不思議なカッコいいカメラ。
「カッコいいけどどこがすごいの?」って聞かれたから、ちょっと纏め的な。

  • 夢のカメラ

ドイツのプラウベル社の経営者が高齢を迎え後継者がいないところ、「カメラのドイ」が買収。ドイグループ創始者・土居君雄氏がカメラへ並々ならぬ熱意を持っていたことから、マキナ67は生まれる。
基本設計はコニカ、レンズはニコン、マキナ67後期~マキナW67、マキナ670の製作はマミヤというカメラ界最上級のジョイントベンチャー

  • 意匠と機構

コニカの設計者である内田康男氏のインタビューによると、そもそも試作機はドイツで製作していたが、どうにもならないと判断した土居氏からの依頼でドイツへ渡ったそう。色々な試行錯誤の末にデザインが出来上がったが、ドイツ人たちが絶対に譲らなかったのが前玉のサイズだったらしい。
光学的にはこんなに大きな前玉は必要ないらしいが、意匠的に正解だったと述懐している。
また、土居氏は当時既に主流であったAEを組み込みたい意向があったらしいが、このカメラの対象ユーザーはプロであり、露出についてはその判断に任せるべきという内田氏の意向から機械式シャッターとなった。
このあたりの判断はまさに正解で、機械式にしたからこそ今でも修理が出来るし、使われる要因だと思う。

PLAUBEL MAKINA 67 CHIEF DESIGNER, YASUO UCHIDA (ENGLISH SUBTITLES)

  • レンズ

そもそも設計をコニカに依頼しておきながらレンズはニコンを使うなんて…と今の時勢でも思うが、土居氏は当初からマキナ67に搭載するレンズはニコン製と決めていたそうだ。
内田氏も一度そのニコンのレンズをテストさせてくれと頼んだそうだが、素晴らしいレンズで文句がつけられなかった…と述懐されている。
発売当時のレビューを見てもF4以上に絞った場合の描写については特に評価が高く、開放付近でも微妙なフレアが出る以外は素直な描写と評価されている。

  • 短期間に終わった製作

製作をマミヤが行なっていたが、マミヤの倒産によりマキナ67も製作が終了してしまう。
純正パーツはマキナサービスへ移管されサポートが続けられたが、名玉と呼ばれたニッコールレンズの多くは廃棄されてしまったらしい。

現在でもマキナサービスからパーツを譲り受けた修理店はネット等で少し探せば出てくる。
以前もチラッと書いたが、マキナをちゃんと取り扱ってくれるお店は少ない上に、モルト交換でさえOH並みに分解が必要なので、未整備品を買うのはちょっとリスキー。未整備品でもそれなりの値段がするし尚更ね。 ちなみに上述の修理店でのOHの場合は蛇腹交換込で約8万。
それ以外でもやってくれる店はあるだろうから、地道に探すと良い。
たまに、同じ蛇腹だからかGF670あたりを勧める人がいるけど、マキナが欲しいんだったら妥協せずに良い個体を見つけるか、OH前提で予算を用意しておくことをオススメする。
無限遠に合わせて蛇腹をしまうのは、このカメラの鉄則のはずだけど、適当に扱う中古店もちょくちょく見かける。
そういう知識すら持たない店から買って同じように扱ってしまって、距離計ズレたらかなり高くつく。
店はちゃんと選んで買うって当たり前で一番大事。