フジと過ごした7月 

コロナで出歩くことが本当になくなって、微妙に小銭が出来たってこともあるけど、dp2 merrillを買ったけど、あまりに馴染めずに短期間で手放してしまった。
そのあと、毎日持ち歩いているGRを修理に出すことになって、再修理とかいろいろあって、FUJIFILMのX100Fを買った。
正直なことを言うと、X100VのPV問題以降、全くFUJIFILMのことを受け付けなくなっていて、本当に良いイメージはなかった。
とはいえ、製品自体に罪はないわけで、手にしたX100Fは本当に良いカメラだった。
OVFとEVFの切り替えられるファインダーもとてもよかったし、絞りもSSもISOも露出補正もダイヤルで操作出来るっていうのはめちゃくちゃ操作がしやすかった。
普段、マニュアルなライカを使っていることもあるけど、ほぼ直感的に使うことが出来た。
あとは、バカに出来ないなーと思ったのはフジのフィルム時代から続く色づくり。これは蓄積度が他メーカーとは格が違うなーと思った。
SONY的な解像感というよりは、ライカと方向性は同じなのかな、絵的な写真的な絵づくりで、好感をいだいた。
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ポートレートの写真*1はISO6400。6400でここまで撮れれば超上等。なんならフルサイズなライカより良いって思った。
レンズも良い感じだった。開放が甘いのは賛否あるっぽいが、開放パキッとが良ければX100Vを買えば良い気がする。まだ併売している。


さて、過去形で書いているので気付いた人もいるだろうが、手放した。
理由はいろいろあるけど、ライカと絵づくりの方向が似ている(もちろん違うけど)ことと、サブカメラっぽくなさすぎること。
GRみたいに片手で設定チョチョっと変えれて構図はともかく撮ってしまえ!っていうコンセプトのコンデジに慣れすぎていて、X100Fではサイズ的にそれは辛かったことと、このサイズなら重量はともかく、ライカ持ち出すわって思ってしまった。


なんとなくFUJIFILMのカメラはまた手にするかもしれないと思った。
ちなみに、流石に今回のカメラコロコロ入れ替えは嫁バレしたんだけど、「カメラ買うな、レンズなら許す」と言われて心の中でガッツポーズした。

*1:model : iさん @i04030818

 くだらない明日に別れを

コロナ自粛でテレワークしていたときがもはや懐かしい。
完全に日常生活に戻ってしまった。東京が何人だ、大阪が何人だって言ったって、このまま日常は進んでいく。
進んでいくというか「こなされていく日々」だ。
コロナでみんな自分のシノギと自分の健康に必死になって、少しぎこちない感じがする。
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自粛自粛もまっぴらだけど、人を不愉快にさせてまでやりたいナニカは特になかった。
でも、こういう時代だからこそ、自分は何が出来るのか、何がしたいのかを考えてみたいなぁと思う。


7月末から昨年の写真展「B.L.T」の続きをやる。
今回は2週間。
失われた日々とくだらない明日を蹴っ飛ばす為に暗室に通う今日この頃。
雨はもう降らないでくれ。
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 断絶された5月

コロナがやってきて、気がついたらあっという間に世界中に広まって脅威になってしまった。
今まで「人を見た目で差別してはいけない」「多様な文化を受け入れよう」なんてグローバリゼーションな価値観がより文化的だとされていた世界が、強制的にシャットダウンされてローカリゼーションな価値観にシフトすることになった。
確実にこのコロナ禍は世界史の教科書に載る出来事だと思う。某国に侵略された世界線ではこの限りではないが。

国内でも県外ナンバーへの攻撃や、県境をまたぐなよキャンペーンが展開された。
体調が少々悪いくらいで休むな!と誰も言わなくなった。初夏の陽気でもみんなマスク継続中だ。

住んでいる街の意外な面が見れたりして面白いなぁと思っていた期間もとっくに過ぎて、今度はこの断絶された世界線が不安になってくる。
コロナ前に石巻でみたブルーインパルスが東京の空を飛んだと聞いて、遠くの出来事なのにすごく胸が熱くなった自分がいた。
潜在的に不安な心って溜まっているのかもしれないし、モヤモヤの吐け口も少ない。
今まではなんだかんだで人に会う世界だったんだなぁと思い知る。人に会わなくても仕事が出来ることはストレスフリーでより自由な気もするが、やっぱり空虚な感じがする。立ち飲み屋にだって行けないし、行きつけだったバー達は無事なんだろうか…。

この空しさを埋めるために徒歩圏オンリーで写真を撮りまくった。
毎日36枚撮りを1本は使ったんじゃないかな。コロナ前に買った定着液が完全にヘタってしまった。
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なんとなく少し寂しい写真が多いかなと思っていたら、「いつも汚い裏路地とか変なところ撮ってるから人なんて写ってないでしょ」って相方に言われた。
それもそうかな。
でも、やっぱり少し撮影行為については色々考えることがあった。色々悩んだ。


悩んだ果てに買ってしまったSigma dp2 merrillを買った2日後に売ったのは内緒だ。
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なにせ性に合わなかった。


No.1-4 Leica M2 Voigtländer Ultron 35mm/f2 Asph Kentmere Pan400
No.5 Ricoh GR1s GR Lens 28mm/f2.8 Kentmere Pan400
No.6 Sigma dp2 merrill 30mm/f2.8

 テレワークライフ

絶賛テレワーク中だ。
テレワークになって強迫観念というか「今日はこれを終わらせないといけない」とか作業ノルマに会社にいる時よりも襲われてしまって、初日と二日目はグッタリ疲れてしまった。性格にもよるんだろうけど、自分の場合、マジメだとは思わないけど「こうあるべき」って思いが強いのかもしれない。
家にずっといると食欲もぜんぜん来ないし、ただ朝起きて仕事前の連絡して仕事して、夕方になったら映画1本見て、風呂入って寝るってただそれだけの生活を2日もやってしまった。
で、さすがにこれはヤバいなと…ストレスで免疫力も下がってしまいそうだ…ということで昼休みにカメラ片手に散歩に出掛けている。
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4月と思えないほど冷たい雨が降った日には、RICOH GR10を片手に。フィルムはKentmere Pan400だったかな。
ルールは1つ、とにかく36枚撮ったら家に帰るってこと。撮りたくて撮れなかった場所は次の日。
実はこれが結構頭を使う。反射的にシャッター切る人なので圧倒的に足りない。
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Leica M Monochromでも36枚でおしまい。


もちろん撮影途中に店に立ち寄ることもなければ人と接触することもない。
なんならすれ違うことすらない日もある。
自分の大事な誰かを守るために、控えるべき時間帯・タイミングとか立ち寄るべきじゃない場所とかは考えつつ、撮れる範囲で撮り続けていたい。


しかしまぁ、2月くらいには考えられなかったな、こんな状況。
「明けない夜はないけれど、目覚めなければ朝は来ない。」って昔流行ったドラマで言ってた。
サヴァイブして朝日を見よう。

 LFI Galleryに投稿したら

兼ねてから、自分の写真生活において一番なんだかなーと思っていたのは、デジタル写真の処理。
処理っていうのはLightroomとかでのデータ処理という意味ではなく、自分の心の中の消化と言った方が良いのかもしれない。
フィルムで撮ったモノクロ写真は展示する機会がある程度確保されていたり、暗室プリントをするから自分の中でストンと処理されていくんだけど、なんかせっかく撮ってレタッチして…って手間暇かけてやってるのに、どこにも出ていかない写真って虚しい気がしていた。
すごく好きなカメラマンの方がLFI Galleryに投稿されていて、それがまた素晴らしくてライカポートレート撮る勇気をもらった方だったので、軽い気持ちで投稿してみた。
結果として、3月では4枚認定してもらった。最初に認定されたのは、登録してすぐで、なんか「info」ってタイトルの英文が来て、「あれ?なんか規約でも破っちまったかな」って相当焦って、メール見て超嬉しかった。
では、そんな3月のLFI Gallery認定作品を振り返ってみる。
※思えば此処でポートレート作品を出すのは異例な気がしてきた。


1. Jungle Gym Girl
portrait model : @__haxxma__
L1024265
この写真はとても気に入っていて、光の差し込み具合も、モデルのはざまさんの表情も、少し顔にかかった影もよかったなぁと思う。
なにげにこういう軟調モノクロームがいかにもLeica MMっぽい気がする。


2. Naked
portrait model : @neco_nade0701
L1024335
2回目の認定にして「Nudes/Sensual Art」で選ばれた。
この撮影前後でいろいろと撮影にかんして悩むこともあって、いちばんモデルの猫撫さんの作ってないだろうなって表情の写真を選んで投稿したのを覚えている。
これも撮影機材はLeica MM。


3. farewell
portrait model : @yanayanennnn
L1005410
Leica Master Shotsに選ばれた1枚。
ちょっと暗いニュースばかりだったし、暗い話題への告別って意味も込めてこの写真を投稿した。
撮影自体はこの写真が一番前に撮ったものだった。
モデルのやなさんの表情がすべてな感じ。これもとても気に入っている。
はじめてのカラー認定。Leica M typ262


4. Be Silent
portrait model : @mik_mik__photo
L1024564
モデルの舞花さんは割と頻繁に撮らせてもらっていて、でも、なんか最新が最高って信じたかったので、いっちょLFI Gallery用に撮ってみようってノリで撮影に臨んだんだ。
めちゃくちゃ気に入ってるカットが選ばれず、この写真が選ばれたのが謎…!って思っていたけど、今思えばこれが選ばれて良かったと思ってる。
Leica MMでの写真。ストロボ1/1はまさに閃光。


ちなみに撮影はすべて35mmの6枚玉ズミクロンだったりするので、ボディだけ記載した。
ちょっと前に広角でポートレート?みたいなことを言われて、ちょっとムカついたこともあったけど、別に気に入った機材でいいじゃんって思ってるのでそれでいいじゃん。


コロナ騒ぎが収まるどころか拡大していてポートレートも撮れない状況が続きそう。
散歩は推奨されているみたいだから、気分転換に散歩には出掛けたい。

 この頃の写真生活 

フィルムライカとライカレンズのみの企画展に出展していた。
この縛りの展示に出すのは2度目だけど、前回もすごくレベルが高くて気合入れて暗室ワークをしたことを思い出しながら今回もちょっと気合を入れて頑張った。ちょうど撮りたいテーマと作りたいイメージが明確にあったから久しぶりに写真楽しい!って思いながら暗室ワークできた。
ゆらめく現像液のバケットの中から浮かび上がる旧い社交街の路地裏が怪しい雰囲気で最高だった。

参加するまでLeica M6とズミクロン50mmばかりを使っていたから、いよいよ解放された気持ちになってマキナ67を持って出たらいきなりストラップ金具が脱落した。
しかもストラップ金具はフィルム室まで貫いていたので感光までしてしまってダブルパンチ...。本体が落っこちなかっただけよかった。
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速攻で修理に出した。マキナ67、2度目の入院。


コロナウイルスの影響で円高になった間隙をついて25本イルフォードのロールフィルムを買った。
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B&Hといえばアメリカンスタイルな梱包で割と発送業務も緩やかなイメージだったけど、コロナ対策で店舗閉鎖の前日だったこともあったのかものすごく早い対応でびっくりした。
今回の買い物で35mmも40本、120も20本ほど確保できた。ちょっと流石に欧米各国の感染状況が洒落にならない中、入手経路も心配だったからよかった。


ちょっと終わりが見えない不安があるけど、気ままに写真撮っていられる世の中であってほしい

 Voigtlander ULTRON Vintage Line 35mm F2という選択肢

はじめてのノンライツかと思っていたけど、Leica M6を買ったときにカラースコパーをボディキャップがわりに持っていたことを思い出した。だから今回は2度目のノンライツ。
イカのレンズはライカのボディで使わないなら野暮だと思っているし、その逆もまた然りだと思っていたから、それなりに欲しいなって思うレンズはあったけどスルーしていた。
このウルトロンはフードも含めて好きな見た目だったことと、開放値がF2というのも好ましいなと思っていた。

M2につけてみてもそんなに違和感はない。

実際に撮ってみると、ちょっと笑ってしまうくらい開放付近で周辺減光する。たとえば開放で被写体を画面端に配置した場合なんかは露出補正で+1.3とかしていた。途中で気づいて出来るだけ画面の中心に据えるようにしたけど、35mmF2で自分がイメージしていたのはズミクロン的な写りだったから正直これはかなりがっかりポイントだった。

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▲F2.0 開放   ▼F5.6
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あとで8枚玉オマージュと知ったが、8枚玉こんなに周辺減光するなら合わないなと思ったほどだ。
色ノリはこってりな印象だった。あくまでこの辺は現行レンズだなぁと感じた。
解像度は非球面レンズを採用していることもあって、手持ちのレンズの中でも文句のつけようがなく良かった。

結局のところ、メインで使っている6枚玉を追いやるほど気に入っているわけではないが、小ささとどのライカボディにも似合うことから、意外と出番が多いレンズとなっている。「少し明るいズマロン」と思ってしまえば、周辺減光も納得できた。
このレンズの解像度に慣れてしまうと、他の35mmを使って撮った写真を見てみると、え、眠くない?って思うレベルなのは間違いがない。
よく、ノンライツな記事のレビューを読むと、コスパがどうのこうのっていう下りが多い気がするが、このレンズは値段関係なくいいレンズだと思う。
イカというブランドが好きな人はもちろんライカを買うべきだと思うし、最初の1本はやはりライカのレンズを選ぶべきだとも思うが、このレンズはとてもいいなーとしみじみ思う。

以下このレンズで撮った写真たち
L1005203
L1005202
L1005189
L1005171
L1005159